ネガティブな印象だったゲーム、今では180度変わった

かんさんと弟。兄の成長に弟も影響を受けている

——大会優勝でママ自身、ゲームへのイメージは変わりましたか?

 

かんさんママ:

はっきり言って、ゲームには悪いイメージしかありませんでした。「ゲームで何かいいことある?その時間他のことをした方がいいんじゃない?」って。サッカーのような団体スポーツこそ彼の人生に役立つと思っていたので、ゲームする子どもを応援することにも抵抗があって、自分が納得するのにけっこう時間がかかりました。

 

でも、スマブラ大会を通して子どもの成長を見て、今では考え方が180度変わりましたね。

 

——かんさんママに変化があった一方で、周囲の方はゲームに対してどんな印象だと感じますか?

 

かんさんママ:

うーん、他のママと話していても、マイナスイメージを持つ人が多いのは感じますよ。「たかがゲーム」「ゲームなんて」という価値観は確かにありますよね。私もそうだったから、わかります。

 

だけど、運動をやればいいってわけじゃなくて、その子にあったものがある。親が見守りながらやっている分には、ゲームも良い影響があると思います。付き合い方次第でゲームから得るものも大きいですよね。

 

——そんなふうに親が認めてくれるのは子どもにとっては嬉しいですよね。かんさんとは今後の進路について話したりしますか?

 

かんさんママ:

はい。最近はゲームクリエイターに興味を持って、新しいゲームのアイデアをノートに書いています。ゲーム音楽も好きで「ピアノを習いたい」とか。

 

これまであんまり自己主張しない子でしたが、「やってみようかな」と口に出せるようになったのは、大会で優勝して自信がついたおかげかもしれません。

 

・・・ ゲームを通して成長する我が子の姿を見て、自分自身の価値観も変わっていったかんさんママ。子どもは、楽しんで取り組めることを見つけたら、自分で学びを得るものなのですね。親は見守り、応援するだけで十分なのだと感じました。

 

ゲームと子どものルール作り、ゲームによる子どもの成長、eスポーツ人気の背景まで取材した今回の特集。

 

デジタルネイティブ世代の子どもたちとのコミュニケーション分断を防ぐには、「ゲームは悪」と決めつけず、まず親が歩み寄ることが大切なのかもしれません。

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取材・文/早川奈緒子  写真/かんさんママ

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