ゲームと成績に因果関係はない。それどころか…

5. 勉強や宿題をしないことをゲームのせいにする

「そういうことをすると勉強が嫌いになってしまいます。」と関先生。「宿題を忘れてばかりだからゲーム禁止!」などと子どもに警告するのは正しいことかと思っていましたが、実は全くの逆効果なのだとか。

 

「宿題や勉強をしないことと、ゲームをすることは、全く別次元の話だということを、知っておくとよいかもしれません。ゲームを禁止にしても、その時間に勉強するとは限りませんから…。

 

例えば、サッカーが好きな子がいつもボールで遊んでいるうちにうまくなるように、勉強も好きになることが大切だろうと思います」

 

勉強が好きになる…これは多くの子にとってなかなか難易度が高いのでは…?

 

「ポイントは、頑張っている過程を褒めてあげることです。『テストの点数が良かったね』と結果で褒めると、やる気にはつながりにくい。

 

勉強が苦手な子であれば、宿題をするのに椅子に座ったこと、1行でも書こうとしたこと、その取り組んだ努力自体を褒めることがやる気につながります」

 

確かに、自分が好きなことを批判されたら、もう話したくない、と感じるのは大人も一緒。お互いにとっていいコミュニケーションをするためにも、親がまずゲームと向き合い、関わり方を考える必要がありそうです。

 

ゲームは意外と、人生の役に立つ

先生の診察室に訪れる不登校の子でゲームにハマる子は多いそうです。しかしいずれ卒業し、ゲームでない自分の居場所を見つけられるのだとか。

 

「以前、『刀剣乱舞』というゲームにハマっていた子が、やがて高校で剣道部に入り、同じ趣味の仲間と出会って交流を深めるうち、友達と一緒に出かけたりできるようになった、ということがありました。

 

このように、ゲームで自分の居場所を見つけ、それを誰かに認めてもらうことで、自信がつき成長につながることもあります。

 

そう考えると、ゲームは意外と世界を広げてくれるし、人生の役に立つんです。もしお子さんがゲームに没頭していたら、それがその子の居場所だと、まず家族が理解してあげることはとても大事ですね」

 

・・・ お説教だけだと「うるさいな」なんて言われてしまうけど、「どんなゲームしてるの?」と親が興味を示してみたら、子どもも聞く耳を持ってくれそうですよね。親子が互いにいい関係でいるために、5つのポイントに気をつけてみてはいかがでしょうか。 ・・・

 

特集TOPに戻る

取材・文/早川奈緒子