子育ての悩みと責任は、夫婦で分散させる

コロナ禍の中、取材はオンラインで行われた

 

──子どもの健康から進路選択まで、子育てのプレッシャーがつらいという声も多く聞かれます。犬山さんは、そういったプレッシャーとどのように向き合っていますか。


犬山さん: 

育児に対するプレッシャーで押し潰されそうになった経験、私にもあります。娘は少し早産で、2000グラムで産まれました。糖の値も低かったのでNICUのある病院へ救急搬送されて、母子ばらばらに。タクシーで母乳をあげに通っていたのですが、なかなか直接飲んでくれない。そうしたら、「私のことをママと思ってくれないんじゃないかな」と不安になってしまって。妊娠中は、ミルクと混合でいこうと割り切っていたはずなのに、気持ちが追い付かなかったんですね。


──それは不安でしたね。子育ての悩みは、ひとりで背負うと重くてつらいものですが、誰かに相談はされましたか。

 

犬山さん: 

夫には話していましたが、つい気持ちが荒れて「あなたにはわからないよ!」という言い方をしてしまったこともありました。でも、どんなにつらさをぶつけても、彼はそれを否定しなかったんですよね。「それはつらいよね」と聞いてもらえて、気持ちが癒えていきました。


──産後直後で不安定なときに、傾聴してもらえるのってありがたいですよね。劔さん素敵です! ただ、育児における課題は子どもの成長とともに次々に現れるもの。育児方針などは、ご夫婦でどのように話し合われていますか。

 

犬山さん: 

疑問が出てきた時点で夫婦で話し合うようにしています。最近話し合ったことは、娘に動画を見せるかどうか。夫と徹底的に話し合い、リビングのテレビでコンテンツを選んで見せること、コミュニケーションをしっかり取ることで見せて良いという結論に至りました。コロナ自粛の間におむつをとろうという話もしたんですけど、こちらは全然できていないです(笑)。たとえ決めた通りにできなくても、夫婦で責任と不安を分散させることが健全なのかな、と思います。「私だけが考えなきゃいけない」と、責任者としてのプレッシャーをひとりで抱えるのはつらいですよね。