──コンテンツの質を見極めることも大切ですね。いざ子供に視聴させる際は、親はどういったことに気をつければいいのでしょうか。

 

後藤さん:

タブレットやPCをドンと渡して「見ておきなさい」と言っても、子供はただボーっと見ているだけで眠くなります。映像を見る時間と自分で解く時間、インプットの時間とアウトプットの時間を交互にしないと人間、誰しも飽きてしまうものなのです。

 

そのために、映像授業には必ずチェックテストや確認テストをつけています。30分の映像授業を見たら、今度はその類題を解く時間を設ける。そして答え合わせをして、また映像を見て復習する。こういったサイクルを大人が作る必要があります。

 

中学受験を目前に控えた6年生2学期になれば、日々の学習スケジュールを子供に作らせ、授業動画の視聴と、テキストの予習と演習、過去問演習がバランスよくできているか、親がチェックしなくてはなりません。

 

繰り返しになりますが、私は小学生に中学受験をさせる場合は、集団授業を教室でやることが最良の手段だと思っています。ただ、いくら塾で良い授業を受けても、家でその分の予習復習がちゃんとできないと、絶対に定着しない。家にいる長い時間を有効に活用する、その手段としての映像授業をセットで活用してもらえるといいなと考えています。

 

効果的なオンライン学習とは…

  • 子供が飽きずに視聴できるかどうか
  • インプットとアウトプットのメリハリがあるか

 

──今回オンライン授業を初めて体験した家庭も多いと思います。そんなとき、普段ゲーム時間の長い子どもが機器の接続など支障なく取り組めたという話もありました。やはり、ITには早く触れさせておいた方が子供にとってはいいのでしょうか。

 

後藤さん:

個人的には、小中学生まではスマホなんて見ていないで、本を読んでほしいと言いたい。いま幼少期からの英語やプログラミング教育が注目されていますが、それよりも先に日本語で論理的に話すことをマスターすべきだと考えています。

 

中学校のデジタル機器を使った「調べ学習」を見学したことがありますが、ただウイキペディアを見て写しているだけ。それよりも図書館で調べる経験を積んで、どれが信頼できる資料か見極める目を養ったほうがいいと思います。

 

ただ、映像配信やZoomの活用に対して、子供たちは驚くほどスムーズに対応してくれた。その現実はしっかり受け止めたいと思います。