2018.10.04
公園や育児支援センターなど、小さい子の集まる場所で必ず起こるのが「おもちゃの取り合い」。
他の子が遊んでいるおもちゃを使いたいけど「貸して」が言えなかったり、反対に今使っているおもちゃを「貸して」と言われても「いいよ」と貸してあげられなかったり…。
状況は色々ですが、子ども向け番組やDVDなどでは「貸して」「いいよ」「どうぞ」がお約束のようになっているので、わが子がその通りにできないと焦ってしまいますよね。
「今使い始めたばかりなのに“どうぞ”って正しいの?」とモヤモヤしているママもいるかもしれません。
今回は「貸して」「いいよ」は必ず言えないといけないの?というママの疑問を、以前話題になった教育番組の意外な回答なども参考にしつつ考えていきたいと思います。
「いいよ」と言えなくていい?!話題になったNHKの番組とは
2016年1月に、NHKの教育テレビ「すくすく子育て」で放送され大きな反響を呼んだのが、次のような視聴者の質問に対する井桁容子さん(保育専門家)の回答でした。
息子は友だちと遊んでいても「ありがとう」「ごめんね」「おもちゃを貸して」などを自発的には言えません。また、友だちがおもちゃを貸してほしいとお願いしてきても、貸そうとしません。おもちゃを貸してあげられるような「思いやり」を育てるには、どのような言葉がけをすればいいのでしょうか?(2歳9か月の子をもつママより)
相談者は、おもちゃを貸せない理由を「思いやり」が育っていないからだと考えていましたが、井桁さんの回答は少し意外な内容でした。
- 子ども自身が納得していなければ、「いいよ」と言えなくていい
- 納得していないのに親が「いいよ」と言わせると、将来自分の気持ちをちゃんと言えなくなる
- 「これは大事だから今は貸せない」と自分の気持ちを言える方がいい
…と、「子ども自身の気持ちが守られてこそ、人の気持ちも大切にできる」というお話をされたのですね。
また、少しドキッとする表現ですが、「貸して」は「今すぐそれをよこせ」という、一種の恐喝だとも。
多くのママが、「貸して」に必ず「いいよ」と答えさせるやり取りにモヤモヤするのは、こういう部分かもしれません。