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「早くしなさい」と子どもを叱る親が非効率的な訳

子育て

2021.04.05

2021.04.10

子どもの準備が進まずイライラする女性

「また怒鳴っちゃった…」「なんかイライラする!」。コロナ禍でストレスを抱えがちな今、そんな人が増えています。そこで試したいのがアンガーマネジメント。怒りの感情に振り回されなくなる“対処法”を、アンガーマネジメントコンサルタントの松井晴香さんに聞きました。

 

今回は「早くしなさい!」「ちゃんと片付けて!」と親が子どもにイライラするケースのアンガーマネジメントについて。こんなイライラが募る際、どうすれば親は怒らずに子どもに言うことを聞かせられるのでしょうか?

怒っても怒っても、子どもが聞いてくれない理由

ステイホーム期間が長引いて、子どもたちと過ごす時間が増えた方は多いはず。だから親子の会話が増えてより仲良くなる、かというと…そうでもない方もまた多いようです。

 

一緒にいる時間が長いけれど、時間と体力をもてあました子どもはだんだんズボラな姿が目立つように。こちらのストレスとあいまって「早くして」「ちゃんとしなさい」と声を荒げる機会が増えたケースが増えたのではないでしょうか。

 

まず理解してほしいのは、そうした怒り方はほとんど意味をなさないこと。なぜなら「早くしなさい!」「ちゃんとしなさい!」なんて大声で言っても、“怒る目的”を果たせる可能性が低いからです。

 

「怒る目的」と言うと、戸惑われた方もいるかもしれませんね。それは決して相手を威嚇することでも、傷つけることでもありません。怒る目的はただひとつ。この場合は「こうしてほしい」というあなたの“リクエスト”をお子さんに伝えることです。

 

「8時には家を出ないと保育園に間に合わない。あと10分で、歯磨きと着替えをしてほしい」。その願望とは裏腹に、子どもはのんびりして遅刻しそうだから「早くしなさい!」と怒鳴ってしまう。 

子どもが親の話を聞いてくれる「言い方」とは?

ただ、逆の立場で考えてみてください。大声で怒鳴ったり、威嚇してくる相手のリクエストを「聞こう(実行しよう)」なんて思いませんよね?

 

また、人は感情が高ぶると言葉が雑になるものです。「早くしなさい!」って言うけれど、どれくらい早くなのでしょう?「ちゃんとしろ」の“ちゃんと”とは何をどうすること?あいまいな言葉で怒られれば、子どもも「早くやっている」「ちゃんとやっているよ」と反発したくなるのも当然です。

 

「いやいや、何度言ってもわからないから怒っちゃう」と親は思うかもしれませんが、それは何度言っても“伝わらない言い方”をしてしまっているのかもしれません。感情的に怒る行為は、むしろ本来の目的を自ら果たしづらくしている。つまりリクエストに答えてもらえにくく、自分で自分のクビをしめているわけです。

 

では、どうすれば?本来の“目的”に立ち返って、「こうしてほしい」と上手にリクエストするのです。

「ママは〜」と話し始めれば、子どもも素直に

上手なリクエストの仕方はシンプルで、3つの基本があります。

 

まずは『おだやかな口調で丁寧に話す』こと。感情的で大きな声になれば、言われたほうは萎縮したり、反発するのは先にいったとおり。つまり、相手に聞く耳を持ってもらうためには、意識しておだやかに丁寧な話し方をすると決めましょう。

 

2つ目は『数字や程度を具体的に示して、やってほしいことを伝える』ことです。たとえば「ちゃんと」「早く」といったあいまい言葉をやめて「園に遅刻しないために、お兄ちゃんは7時55分までにはお着替えと洗顔を終わらせて、8時にはうちを出ようね」と伝える。「いつ・どこで・だれが・だれに・なにを・なぜ・どのように・どれくらい」を意識して、数字や程度をできるだけ“具体的”に示してリクエストするのです。

 

すると、言われたほうは、「ちゃんとしてるよ!」などと反発する必要もなくなります。「いつ・なぜ・何を・どのように」など自分がやることが明快になり、誤解も生まれません。

 

3つ目は、先の述べた2つの方法を意識しながら『Iメッセージ』として伝えることです。Iメッセージとは、「私は〜」と主語を自分にして伝えるメッセージのこと。「そうしてくれると、ママ助かる!」「ママも困るし、心配だから、お願いね!」。そんなIメッセージを添えて、リクエストするのです。

 

「あなたが~しないから」「お兄ちゃんが~しないせいで」と“YOUを主語”にして話し始めると、つい命令や責め立てる意味が出てしまいます。もとより、あくまでこちらがリクエストするわけだから、主語は「I」のほうが自然に聞き入れられます。

 

「たしかに、怒鳴るよりも言うことを聞いてくれそう。けれど…そんな落ち着いて対処できない」「やっぱりムカムカしちゃいそう」と感じる方もいるでしょう。けれど、アンガーマネジメントは「怒りの感情と上手につきあうための心理トレーニング」。

 

トレーニングですから、スポーツと同じで、練習すればするほど上手になっていきます。もちろん得意・不得意はあっても、正しい方法で練習を積めば、誰でも確実に上達していきます。怒りとのつきあい方を身につけられれば、まずは自分がラクになり、周りの人もあなたとつきあいやすくなる。あなた自身の身の周りから、世界を明るく変えていくチャンスなのです。

 

これから、親子や夫婦、ママ友などついイライラする際のアンガーマネジメントのトレーニングも順次紹介していきます。

監修/松井晴香 取材・構成/箱田高樹 イラスト/ナカオテッペイ

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