入学前にしておくといい声がけ、ダメな声がけ

虻川さん:

子どもが安心して学校に通えるように、入学前に保護者はどんな声がけができるでしょう?

 

長谷川さん:

まずは、今までの成長に対して、「こういうこともできるようになったね。年中さんまではできなかったのに、すごいじゃない」などポジティブな声がけをしてあげてください。

 

同時に、入学後の生活が楽しみになる声がけを。「きっと仲良しのお友だちができるよ」「給食ってすごくおいしいらしいよ」「校庭の遊具で毎日遊べるんだね」といった前向きな言葉が、子どもの助けになるはずです。

 

虻川さん:

ああ…自分が不安だから、つい息子に「しっかりしなきゃダメ」みたいな雰囲気を出していた気がします。

 

長谷川さん:

入学を控えた親御さんは、必要以上に「しっかりしなさい」と言いがち。でも、環境は嫌でも変化するもの。コロナで明日が読めない今は、なおのこと「あなたはそのままで大丈夫」というメッセージを送りたいですね。

 

何より大事なのは、三食きちんと食べ、お風呂に入って、歯磨きをして、たっぷり睡眠を取るなど、生活のルーティーンを規則正しく続けること。いつもと変わらない生活は、精神状態の安定にもつながりますからね。

 

PROFILE 

虻川美穂子(あぶかわ・みほこ)さん

1974年生まれ、埼玉県出身。1995年、お笑いコンビ・北陽を結成。2015年に第1子となる長男を出産。2020年にはYouTubeで「北陽チャンネル」を開設した。著書に「北陽の“母ちゃん業"まっしぐら!」(主婦の友社刊)がある。

 

長谷川かほる(はせがわ・かほる)さん

東京未来大学特任教授。東京都内の公立小学校教諭、副校長、校長を経て現職。大学では、管理職歴15年の経験を活かし、教員を目指す学生たちの指導を担当している。著書に「保護者対応12か月」(小学館刊)がある。

 

取材・文/有馬ゆえ 写真/高倉千鶴 スタイリスト(虻川さん分)/野田奈菜子