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公立中高一貫校では受験テクニックが通用しない…それでも親にできること

子育て

2021.06.22

中学受験2021_06_02

かつては「裕福な家庭」「優秀な子」のためのもの、というイメージが強かった中学受験。しかし最近では、多くの家庭がチャレンジするようになっています。

 

気になるけれど、何から始めればいいのかわからない。そんな保護者向けに、「中学受験の正体」をイロハから進学塾VAMOSの代表富永雄輔さんに教えていただきます。

 

今回は公立中高一貫校の適性検査(入試)について。「特殊で努力が報われにくい」とも言われるその内容や、合格するための対策についてうかがいました。

「答えが一つ」ではない公立一貫校の適性検査

安い学費で中高6年間、一貫した教育が受けられると人気の公立一貫校。

 

その入学選抜方式は、公立だからこそ「受験競争の低年齢化」やお金持ち有利に結びつかないよう、私立の入試問題とは大きく異なる内容となっています。そして、一般的な入学試験とは区別して「適性検査」と呼ばれています。

 

ほとんどの私立校や国立校が実施している一般的な中学入試では、誰が解いても正解はただ一つ、という問題が出されます。とくに算数は「つるかめ算」「植木算」「仕事算」などさまざまなテクニックを覚える必要があり、たとえ難関国立大学の出身者であったとしても訓練なしに解けるものではありません。

 

一方、公立中高一貫校の適性検査は、「答えが一つ」ではありません。具体的には長い文章を読ませて作文を書かせたり、データを表にまとめさせたり、グラフをもとに気づいたことを書かせたりします。

テクニックが通用せず、努力が報われにくい

こうした適性検査の問題は、早熟な「12歳にしては大人な子」には有利な問題だといえます。

 

早熟さは、ある程度生まれつきによるものですよね。残念ですがテクニックを詰め込んでどうこうなるものではないんです。

 

だから、対策が立てづらい。私立中学を目指して塾で勉強している受験生にとっては、日ごろの努力が報われづらい、ハードルが高いものとなっています。

 

「公立なら入りやすいだろう」と思われがちですが、僕からしたら都立小石川に入るのは、最難関の筑駒や開成に入るより難しいと思います。

「塾なし合格」はインプット次第

テクニック不要となれば、通塾せずに合格できるかも?と思う人もいるかもしれません。

 

これについては、イエスともノーともいえないものがあります。

 

すでにお話しした通り、公立一貫校の適性検査は自分の考えなどを書かせるアウトプット型の問題です。でも、物事をアウトプットするにはインプットが必要ですよね。適性検査で高得点を取るには、ある程度社会的常識を身に付けておかなくてはならないのです。

 

個人的には「6年の夏まではしっかりインプットの勉強をやって、9月以降に適性検査の対策をする」のがいいんじゃないかと思っています。

 

通信講座などでもインプットはできますが、効率よく一通りのことをインプットできるのは塾でしょうね。

 

もちろん、精神的な成熟度が高い子で、普段から大人向けの新聞や本をふんだんに読み、作文が得意、最低限の計算ができるというのなら、塾に行かなくても受かるチャンスはあります。でも、そういう子は多くないと思います。

私立との併願、戦い方はいろいろ

「公立一貫校が本命だけど、倍率が高いし、せっかくやった勉強を無駄にしたくないから私立も受ける」。逆に、「私立が本命だけど、公立一貫校にも挑戦してみたい」

 

優先順位はさまざまですが、公立一貫校と私立校の両方を受ける受験生はたくさんいます。あくまでも僕の感触ですが、公立一貫校「だけ」を受ける子は、東京では3割程度しかいないのではないでしょうか。

 

公立と私立、両方受験する場合は、適性検査と一般受験それぞれの対策が必要となり、負担が大きくなります。とくに大学附属校(私立)は知識詰込み型の出題をする学校が多いので、併願校としてはおすすめできません。できれば出題傾向の似た学校を選びたいところです。

 

最近は私立中堅校に、適性検査タイプの問題を出す入試日を設けるところが増えてきています。適性検査タイプとうたっていなくても、大学入試改革をふまえてアウトプット型の入試を実施するところもあります。そういった学校を選ぶのもひとつの手です。

 

また、出題形式そのものは一見似ていないのですが、求める生徒像が似ている学校を選ぶのもアリかもしれません。新興の共学校、例えば広尾や三田国際、開智日本橋、東京ドルトンなどは出題形式こそ違えど、聞いてくるもの、求めている学力は似ていると思います。

公立一貫校向けの模試は受けておく

対策としての塾選びですが、enaや栄光ゼミナールのように公立一貫校対策を大きくアピールしている塾はもちろん、日能研や早稲アカなどでも対策コースを設けています。

 

公立一貫校を受ける場合は、模試にも気をつけるべき点があります。受験学年になるといろいろな模試を受けることになると思いますが、9月以降、そうした模試と並行して、公立一貫校用の模試も受けておいてください。

 

私立校の偏差値とは別の立ち位置を知り、出題形式に慣れるためです。enaや四谷大塚など、さまざまな塾が実施しています。

 

中学受験の正体_matome1私立校の入試とは傾向が異なるため、独自の対策が必要となる公立一貫校の適性検査。併願する私立校には、適性検査と似た傾向の問題を出す学校を選ぶなど、子どもの負担を増やさないよう注意が必要です。

 

中学受験の正体バナー

監修/富永雄輔 取材・構成/鷺島鈴香 イラスト/サヌキナオヤ

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