子どもが成長したら、父親なんて無力だよ

 

松延:

僕は娘が大きくなったので、もう怒ったりすることとかほとんどない。逆に少しは怒らせてよって感じです。抱っこしたり、泣いたりしているのをあやしたり、そういう向き合っている時の方が一見大変に見えるんですけど、楽しかったなっていうか。高校受験の時とか、もう何もしてやれないし、見守るしかない。「いってらっしゃい」しかいえない俺、みたいな。祈るしかできない方が逆につらい。志望校に受かっても「あ、パパ受かったよ」って。「よかったね、おめでとう」くらいしかやり取りのないこの感じの方がつら〜みたいな。もっと俺スーパーでいたい。胴上げしてあげたいくらいなんですけど(笑)。

 

髙橋

向き合ってないともったいないね。松延さんがいまそう思えるのも、一生懸命子育てしてきたからじゃないですか。寂しさを感じるのもいいじゃないですか。寂しさを感じたくても何にも感じられないのが一番寂しい。男は基本的にそれも感じられずに過ごしちゃう人が多いんじゃないかな。

 

松延:

ね、もうちょっと大きくなったら関与しようがないんだから。関与できる方がまだいい。

 

阿部:

もがけるっていうのはありますよね。受験とかになってくると、もがきようがないって感じですよね。

 

寺島:

こういう話をシェアして勇気付けられる事とか、こういう風に思えばいいんだとか気づきがあるっていうこと。僕たちも、僕たちの子どもよりももっと小さなお子さんを持つ親御さんたちに伝えられる事ってきっとあるし、それで勇気付けられる事っていっぱいあると思うんですよ。そういうことをいい合えるようになると、親はもっとハッピーになれるし、母親だから父親だからこうしなきゃとかじゃなくて、もっとオープンに楽しめるようになる気がするんですよね。

 

髙橋

正解なんてひとつもない。その家庭の中で、お互いに話し合って、妻と夫が「超平等」に生活するのが大切だと思う。「超平等」と夫婦がそろって思えば幸せだと考えています。ただ、僕らは男性なので「男たちよ、妻の人生のために今っぽく意識改革しよう!」とスーパーダディ活動を通して声を大にして伝えていきたいです。

 

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取材協力:

特定非営利活動法人スーパーダディ協会(SDA

取材場所提供:

フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー

取材・文/田川志乃 撮影/菅井淳子