家事も育児もできる、父親のロールモデルはどこにある?

 

―――確かに、子育ての仲間がいるって心強いですよね。でも、そもそも、みなさんがスーパーダディになろうと思ったきっかけって何ですか?私たちの親世代は専業主婦家庭が多いので、なかなかロールモデルを見つけるのが難しいですよね。どれだけ目の前の家庭に向き合っても、昔の価値観の中で育っていると、共働き家庭における父親像って意識しづらいと思うのですが…。

 

髙橋

僕の妻は仕事をしているのですが、妻が育児・家事に追われてやりたい仕事ができなくなるのは嫌だなって思って。僕の実家は寿司屋なので、当たり前のように両親ともに働く姿を見てきたし、父も母も一緒に子育てをしてくれました。それがあって今の自分があるのかなって思うんですよね。

 

阿部勇太さん(株式会社アカラ 代表取締役、小4女子と年長男子のパパ)
阿部勇太さん(株式会社アカラ 代表取締役、小4女子と年長男子のパパ)

 

阿部:

僕は、父親が普通に家のことをやってたので、男でも家事や育児をするのが当たり前っていう感覚ですね。あとは、一人暮らしの期間が長かったっていうのも関係あるかもしれないですね。高校生の頃から親元を離れて生活していたので、自分でご飯を作って、掃除も洗濯もするのが当たり前っていうのがベースにあります。

 

―――やっぱり、父親の影響が大きいんですかね?

 

松延:

でも、うちは阿部さんとはまったく逆で、親父は超スーパー亭主関白(笑)。九州男児で、母親も九州の人間なので、男性はそんなもんだって思っていて。家庭内では父の次に偉いのは兄で、母親からは僕も「さん付け」で呼ばれていました。母は学校の先生もしていて、フルタイムで働いていたのに、家のことも子育ても全部やっていたので本当に忙しそうでした。 小学校高学年くらいの頃に、アメリカ映画で育児も家事もやる、まさにスーパーダディ的な父親を観たんですけど、その頃から「自分が家庭を持ったら、絶対に育児も家事もしよう」と決めていました。なので、僕は父が超反面教師になっていますね。

 

寺島:

うちの親も九州なんですよ。母も昔ながらの専業主婦で、家のことは全部やって当たり前でしたから、僕はずっとそれが普通だと思っていました。 でも大学生の時にボート部に入って、合宿所での一人暮らしみたいな生活をした時に、自分でやるのが当たり前っていうのが身についたんです。なので、家事は誰がやるっていう凝り固まった考えは全然なくて、自分が家庭を持ったらこうしようっていう理想もあんまりなくて。妻が忙しい時は僕がやるし、自分が忙しい時は無理してやらないで任せちゃうし、臨機応変に、やれる人がやるのが普通じゃない?っていう感覚はあると思います。

 

―――この20年ぐらいで、急激に家族のあり方が変わりましたからね。育った環境以外にも、いろんな原体験が影響しているんですね。