2018.11.20

給食が食べられない子への過剰な指導がヤバい

education201811

みなさんの保育園・幼稚園や小学校時代、給食が食べられない子に対して先生はどんな対応だったでしょうか?

 

年代や地域にもよりますが、全部食べきるまで席を立てずに残された人や、量を減らすことは許されなかったという人も多いのではないでしょうか?

 

最近の保育園・幼稚園や小学校では「楽しく食べること」が重視されているので、泣いても全部食べさせるといった極端な給食指導が行われている学校はほとんどないと思いますが、やはり学校や先生により対応にかなり違いがあるようです。

 

現在お子さんが小学校に通っているママはもちろん、もうすぐ入学だけど大丈夫かな?と心配なママもぜひ参考にして下さい。

 

保育園・幼稚園の給食、保育士さんはどう対応してる?


まずは、保育園や給食のある幼稚園にお子さんが通っているママたちに、給食はどのくらい食べられているか聞いてみたところ、意外にも

 

「家では完食できなかったり、好き嫌いを言ったりするのに、園でみんなと一緒だとほとんど残さず食べられることが多い」

という答えが複数のママから返ってきました。

 

もちろん、中には「お肉・野菜など特定の食材が食べられない」「味付けになじみがなく食べられない」「遊ぶことの方に興味がある」などの理由で用意された給食を食べきれない子もいます。

 

保育士さんや幼稚園の先生は「にんじんを食べたら、強いお兄ちゃんになれるよ!」などの声かけや、楽しい雰囲気を作って食べるなどの工夫はしてくれますが、どうしても食べられなければ無理強いはせず、最後まで食べるように強くすすめることは少ないようです。

 

小学校の給食「食べられない理由」と学校の対応は


一方、小学校の給食に関しては、「子どもが給食を食べられなくて悩んでいる」というママの声が一気に増えます。

 

最新の「児童生徒の食事状況等調査報告書」によると、学校給食を「時々残すことがある」「いつも残す」と答えたのは小学生のうち43.2%と半数近く、その理由として多かったのは「きらいなものがあるから」「量が多すぎるから」「給食時間が短いから」でした。

 

食べられない理由1:食べる時間が足りない

低学年では特に配膳や片付けに時間がかかるため、給食を食べる時間は実質20分程度といわれています。牛乳やおかずをこぼしてしまう子も珍しくないので、その対応でさらに短くなることもよくあるそう。

小学校の先生も、「最初の5分間はおしゃべりをしないで食べることに集中し、その後に楽しく話しながら食べる」などメリハリをつける工夫をしていますが、それでも食が細かったりもともと食べるのがゆっくりめだったりすると、時間が足りなくなって食べきれない子が一定数いるようです。

 

食べられない理由2:量が多すぎる

ママの子ども時代とは違って、一人ひとり食事の適量は違うという考え方が主流なので、配膳時や食べる前に量を減らしてもらうことが一般的になってきています。

ただ、本当に量が多いから食べられないのか、特定のものが食べたくないから減らしているのか、見分けがつきにくいという問題点もあるようです。

 

食べられない理由3:嫌いなものがある

「嫌いなもの」に関しては、栄養バランスが偏らないように、できるだけ食べることをすすめる学校が多いようです。

もちろん、アレルギーのある食品を食べさせることはありませんし、発達障害のひとつの症状として、「食べられる食材が限定されている」という場合もあり、この場合も無理強いはしないことになっています。

ただ、最初から「嫌いなものは食べなくてもいい」と言われることはほとんどなく、まずは「一口だけでも食べようね」からスタートし、徐々に量を増やしていくのが一般的。

 

実際、小学生のママからは、

「息子は1年生の時には毎日のように何かしら苦手で食べられない食材がありましたが、高学年の今はずいぶん食べられるようになりました。給食のおかげだと思います」

という声も複数聞かれました。

 

学校や担任の先生の方針によってかなり差がある


数年前に、「小学校の担任教師が給食を無理に食べさせ、子どもが吐いてしまった」というニュースもありましたが、現在、そこまですることは稀だと思われます。昭和時代は珍しくなかったからこそ、ニュースにもならなかったのでしょう。

 

小学生ママに、お子さんから聞いた学校での取り組みをたずねてみると、「一口でも食べられたらほめてもらえる」「理科で育てた野菜を家庭科の授業で調理して食べた」「完食できた子からデザートのお替りOKなどのルールがある」など、いろいろな工夫で好き嫌いの克服や完食を目指しているそう。

 

ただ、給食の「残飯率」は常に記録されており、残飯率の少ない学校・クラスは教育委員会から表彰されることもあります。

 

「うちの子のクラスでは、表彰を目指して、クリアしたらスタンプを押すなどゲーム感覚で“残さず食べよう”をクラスの目標にしている」というママの声もありましたが、そういう場合、食べられないこと自体に加えて先生にそれを告げることにも緊張感が伴ってしまう子もいるようです。

 

給食が原因で病気につながるような場合は、学校に相談を


給食指導、こんな場合は要注意

食べ物の好き嫌いをなくしていくことは大切ですが、指導が行き過ぎると、学校そのものがイヤになってしまうこともあり注意が必要です。

 

特に、班の誰かが給食を食べきるまで、班の子どもたち全員が外で遊べないなどの「連帯責任」型の指導は、食べられない子がクラスメイトに責められたり、いじめにつながったりする可能性もあり、食べられない子にとっては「学校に行きたくない」と思ってしまうほどプレッシャーに感じてもおかしくありません。

 

「会食恐怖症」ってどんな病気?原因は給食ってホント?

アンケートに答えてくれたKさん(33歳・4年生と1年生のママ)は、自らが小学校時代に給食が食べきれなくて担任から強く叱責されたり、同級生にからかわれたりした記憶が大学時代にフラッシュバック(突然甦ること)するようになり、一時、他の人と一緒に食事ができなくなってしまったといいます。

 

これには「会食恐怖症」という名称がついており、食べることに対する緊張感・恐怖感が強く「食事のことを考えるだけで動悸がしたり息苦しくなる」「他人と一緒だったり、人目があると何も食べられない」「無理に食べようとすると吐き気がする」 などの症状が表れるもの。

 

きっかけについては、「職業上早く食べることを強いられた」「食事マナーで恥をかいた経験がトラウマになった」…というものもありますが、特に、小学校時代の給食が原因となっている可能性が指摘されています。

 

Kさんも、「長男は今のところ問題ありませんが、次男が少し給食が苦手で、朝、献立表を見てベソをかいていることも。今後、万が一私と同じように無理強いされるようなことがあったら、取り返しがつかなくなる前に学校に相談するつもりでいます」

 

給食についての相談、学校へはこう話そう

学校へ相談する時は、いきなり苦情として言うのではなく、「気になることがあるのですが」と、給食の時間の様子を聞いてみることから始めましょう。 

 

子どもが苦しんでいることに先生が気が付いていない場合もありますし、子どもが「量を減らしたい」等と言ったら怒られると思い込んでしまっている場合もあります。

 

子どもが「学校に行きたくない」と言う段階になると、先生の側でもケアが必要だと認識してくれることがほとんどです。現状を伝えてしばらく様子をみてもらいましょう。

 

まとめ


筆者の娘たちは、さいわい給食の時間が楽しみで、おかわり希望者のジャンケンにもよく参加していたほどでしたが、ママ友のお子さんは保育園時代から小学校4年生頃までほんとうに給食を食べるのが辛く、いつも話を聞いては気の毒に思っていました。

 

ママは担任の先生といつもコミュニケーションを取りながら、無理せず、少しずつ食べられるように…と工夫されていましたが、先日久しぶりに話を聞くと、5年生から急にほぼ完食できるようになったそう。

子どもの成長を信じつつ、食べる楽しさだけは奪わないように、気長に見守っていきたいですね。

 

文/高谷みえこ 

参考:「平成 22 年度児童生徒の食生活実態調査概要」 

一般社団法人 日本会食恐怖症克服支援協会 

高谷 みえこ

ライター歴15年。大手企業サイトなどで執筆を行う。得意分野は女性・主婦向けの記事。育児ポータルサイトでは新米ママのお悩み相談コーナーで回答者を務めた実績を持つ。