2018.11.19

転勤族が抱える子供への苦悩【お金・教育・定住】

education201811

おもに夫側の会社で数年ごとに全国への異動・転勤がある場合、子どもが小さいうちは、家族が一緒に引っ越す家庭が大多数だと思います。

 

引っ越しが大変というだけではなく、ママの働き方や子どもの問題など、転勤族ならではの育児の悩みはどのようなものがあるのか…?

 

今回、独自アンケートの回答を見てみると、転勤族のママたちが悩んでいるのは「仕事とお金」「子どもの勉強」そして、最も多かった悩みは、「いつ定住する場所を決定するか」ということでした。

 

転勤族ママの悩み1:仕事とお金。毎回職探しはキツイ…


Uさん(30歳)には、4歳の長男と去年生まれたばかりの次男がいます。以前は長男を保育園に預けて正社員として働いていましたが、次男の育休中に転勤が決まり、退職して引っ越しました。

 

「将来のことを考えると仕事に出るべきだと思うのですが、いつまた転勤があるか分からないので、次は正社員でなくパートになると思います。二人の保育料をパート代から差し引くと3万円残るかどうか。下の子も通い始めは病気にもかかりやすいと思うし、保育園がかなり遠いこともあり、無理に預けるよりも、上の子だけを近くの幼稚園に入れて節約して暮らす方がいいのかも…と迷っています」

 

Kさん(35歳)は、3歳の長女を連れて家族で引っ越しました。

 

「夫の転勤は結婚してからもう4回目です。そのたびに新しい派遣会社やパートを探してきましたが、今回は地方都市だからか、事務系の派遣の仕事がとても少ないんです。保育園に通う娘の熱などで休むこともあるので、今は比較的主婦に理解のある飲食店でパートをしています。ただ、周りは学生とベテラン主婦ばかりで、入ったばかりの私はなかなか仕事が覚えられず苦労しています…。だんだん年齢も上がってくると、しっかりメモを取ってもついていけないんですよね!覚えた頃にまた転勤かと思うと憂鬱になります。長年勤めて慣れている職場のベテランママさんがうらやましいです」

 

Hさん(38歳・5歳と2歳のママ)も、夫の転勤の度に退職することで自分のキャリアや収入が増えていかないのが残念だと言います。

 

「最初の夫の転勤の時は私が退職し、引っ越し先で再び正社員として就職しました。2回目の転勤では子どもも生まれ、ちょうどマンションの購入を検討していたので、単身赴任してもらおうかと迷ったんです。でも、やはり家族一緒に暮らす方が子どもたちのためにも良いと思い、私が退職しました。でも、同じ会社に正社員で復帰するのと、新しい土地で子どもを二人抱えて就職活動するのとでは天と地ほども条件が違いますよね。子どもはパパといられて楽しそうなので後悔はしていませんが、金銭的には、今でもあの判断で良かったのかなと思うことがあります」

 

転勤族ママの悩み2:学習の進み方が前の学校と違う!


今回、転勤族のママからのお話を聞いてみると、意外にも「子どもに友だちができない」という悩みは少なかったのが印象的でした。

 

その子の性格にもよりますが、特に10歳くらいまでの子どもの環境適応能力は非常に高く、最初のうちこそ、持ち物の違いや方言など転校生特有の理由で困ることはあっても、しばらく経つと友達もできて楽しく通っているという答えが多かったです。

 

一方、学習面では、学習進度のばらつきに悩まされているという声がかなり多く聞かれました。

 

Yさん(33歳)は、長男が小学校2年生の時に夫の転勤が決まり、マンションの契約などの関係から夏休み明けの2学期に転校となりました。

 

「子どもは比較的新しい学校にすんなり馴染んでくれてホッとしましたが、年度途中での転校は勉強面では大変でした。教科書が違うと、1年生で習う漢字と2年生で習う漢字が入れ替わっていることがあるんですよね。親の都合で転校させているので、やっぱりそのせいで勉強についていけないのはかわいそうだと思い、引っ越し後のバタバタの中、どの漢字が漏れているのか夜なべして私がチェック。手書きの問題を作って教えました。学年が上がってくるとさらに習う漢字も増えていくでしょうし、漢字を教える順番を全国で統一できないんでしょうか!?」

 

Oさん(32歳・小学校3年生のママ)も、転校前と転校後の学校で進度のずれについて何もフォローがないので心配だと話します。

 

「2学期いっぱいで年末に引っ越しとなったので、転校する時に、前の学校でその学年中にやる予定のプリント・テスト類を全部渡されました。それを見て、自分(親)がフォローするようにということですよね。転校先でも特に補講などはやっていないということでした。懇談の時に担任の先生には相談したのですが、様子をみていきましょうと言っている間に3学期がすぐ終わり、どこが抜け落ちているのか、私にもつかみきれていないままです…。前と違ってマンモス校なので、先生もどこまで見てくれているのか分からないですね」

 

自分自身も子ども時代、転勤族だったというKさん(27歳・1歳のママ)は、学習面でよかったと思うことを教えてくれました。

 

「父の転勤で、全国十都市以上の引っ越しを経験しました。もちろん友達と離れる時は悲しかったですが、文通などが続いたのは今でもいい思い出です。学習面では、ふつうの家族旅行では回り切れないほど各地の名所や歴史を見て回ることができたし、同じ日本でも、土地柄によって考え方や行動はこんなに変わるんだということを身を持って知ることができました。その経験が社会に出てからとても役立っていて、全国を転々としたことは、今ではかけがえのない勉強だったと思っています。夫も転勤のある会社に勤めているので、いま1歳の娘もできる限り一緒に連れていきたいと思っています」

 

転勤族ママの悩み3:定住のタイミングはいつがベスト?迷う…


ここまでは、赤ちゃん~小学校までのお子さんを持つママの体験談を中心に紹介してきましたが、子どもが中学校・高校になると、進路や部活・友達関係など、学校生活がより重要になってきます。

 

パパの転勤が将来的にも続くと予想される場合、中学・高校で転校させるよりも、単身赴任に切り替えて、定住を考え始める家庭も少なくありません。

 

子ども時代や学生時代に親の転勤で引っ越しの多かったママが、当時の気持ちを振り返って教えてくれました。

 

「小学校時代は転校生は珍しくなかったし、自分でも特にイヤではなかったですが、中学校3年生で転校したのはちょっと辛かったですね。卒業した中学校は少ししか在籍していないので「母校」と思えないし、高校は県外に行ったので、実家の自治体での成人式には出席していません。会社の同僚と話していて、お正月などに地元の友人と欠かさず集まっている…という話を聞くと、ちょっとうらやましいですね」(Nさん・28歳)

 

「中学と高校で転校を経験しました。せっかく仲良くなってもどうせまた転校すると思うと、別れの辛さを味わいたくないがために、親友と呼べる友達ができず浅く広い付き合いしかできませんでした。部活も、前の学校では試合のスタメンに選ばれていたのですが、新しい学校には部そのものがなく、一番やりたい競技ができなくて残念でした」(Dさん・30歳)

 

転勤・引っ越しが多いママの話を総合してみると、やはり小学生のうちは親子の触れ合いも大切なので一緒に引っ越しをする人が多いようですが、中学校になると、週末も部活や勉強で時間を取られるし、急な引っ越しでは高校受験などに対応できないという理由から、中学校入学前後に自宅の購入などを検討し始める人が多いようです。

 

「3回目の転勤で、私(ママ)の実家に近い県に引っ越すことになったので、少し予定より早いけれど家を購入し、定住を決めました」という体験もありました。

 

まとめ


度重なる引っ越しは、親子ともに環境の変化など負担が大きいもの。さりとてパパの単身赴任を選んでも、経済的負担に加え、子どもが淋しい思いをするのも心配です。

 

「かわいそう…」と思ってしまうこともありますが、今回印象的だったのは、

「何度か引っ越してみて悟ったのは、親に迷いがあると転校先でも子どもが不安定になりやすいということ。これがベストだと信じていれば、意外と子どもはのびのび暮らしています!」というママの声でした。

 

引っ越すにしても、パパの単身赴任を選ぶにしても「これが正解」というものはありません。子どもの気持ちや将来をしっかり考えた上で、自信を持って答えを出していきたいですね。

 

文/高谷みえこ

高谷 みえこ

ライター歴15年。大手企業サイトなどで執筆を行う。得意分野は女性・主婦向けの記事。育児ポータルサイトでは新米ママのお悩み相談コーナーで回答者を務めた実績を持つ。