妊娠で増えるむずむず脚症候群


 

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むずむず脚症候群は、男性よりも女性のほうが多く、60歳以上の高齢者では若年者の2~3倍多いのが特徴です。女性の場合には一時的に妊娠中にも増えます。 一般の有病率が1.4%であるのとくらべ、妊娠すると4.5%、さらに妊娠中でもタバコやアルコールを控えない場合には10.2%と高くなります(※1)。 妊娠でむずむず脚症候群になる場合、妊娠3~4か月から始まり、もっとも多いのが妊娠8か月頃。臨月には症状が良くなり、分娩すると症状がなくなります。

妊娠中におきるむずむず脚症候群は、3~5か月で治る一時的なものですが、寝つけなかったり、睡眠時間が短くなってしまったり、熟睡できなかったりと睡眠不足の原因になりかねません。 

 

むずむず脚症候群の原因は?


 

脳の中で働いている「ドーパミン」という物質が上手く作られないことが、むずむず脚症候群の原因になっていると考えられています。 ドーパミンはやる気や学習能力と関係していたり、運動機能に障害がでるパーキンソン病のような病気とも関連したりしている神経伝達物質です。 ドーパミンをつくるもととなる、鉄分や葉酸が足りなくなることで、脳の中でこのドーパミンが不足し、むずむず脚の症状が出ている原因ではないかと考えられています。 また、なかには遺伝で症状が出ている方もいますが、関係ないことのほうが多いと言われています。