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無痛分娩のリスク…知っておきたいデメリットとは

出産

2019.05.30

2020.04.04

無痛分娩のデメリットを医師に確認する妊婦のイメージ

これから初めての出産を控えた人はもちろん、2回目以降でも、前回の苦しかった記憶が強く残る人は、一度は「無痛分娩」を考えるのではないでしょうか。

 

最近では英国王室のキャサリン妃が無痛分娩で出産し、日本でも年々関心が高まっていますが、実際に決める時にはリスクやデメリットも気になることと思います。

 

今回は無痛分娩の基本的な知識やどのような流れでお産が進むのか、かかる費用や事故などのリスクについて考えてみます。

無痛分娩は誰でもできる?


無痛分娩は、もともとは、心臓疾患・重症妊娠高血圧など持病のある妊婦さんを対象としたものでした。

 

しかし、厚生労働省の資料の例では、東京大学医学部附属病院で1年間に行われた無痛分娩のうち、医学的に必要と判断されたのは6.8%だったのに対し、本人希望の無痛分娩が93.2%を占めていたといいます。

 

お産の痛みは誰でも怖いもの。よく「神様はその人が耐えきれない試練を課すことはない」などと言いますが、痛みの感じ方は人それぞれで、普段から「自分は痛みに弱い」という自覚のある人は特に恐怖を感じることでしょう。

 

欧米では、無理に痛みに耐えることはないという合理的な考え方で無痛分娩を選ぶ妊婦さんも多く、アメリカでは73%、フランスでは82%が無痛分娩であるというデータも。

 

日本でも、血液が固まりにくい病気や麻酔を行う脊椎に変形があるなどの特殊なケースを除き、希望すれば誰でも無痛分娩を行うことは可能です。

 

ただし、前回のお産が帝王切開だった妊婦さんには無痛分娩はできないという病院が大部分のようです。帝王切開後の経腟分娩(VABC/ブイバック)自体、可能かどうか慎重に判断しなくてはならないため、希望する場合はしっかりと情報を集めて早めに相談する必要があります。

 

無痛分娩の流れ


現在、海外・日本ともに多く行われているのは「硬膜外鎮痛」と呼ばれる、背骨(脊髄に近い場所)に麻酔薬注入する方法で、以前行われていた点滴で全身に麻酔を行う方法と比べて赤ちゃんへの影響が少ないとされています。

 

しかし、自然分娩と比べると無痛分娩には多くの医学的処置が必要なことや、万が一の事態に備えて複数のスタッフが常駐していることが望ましいため、実施できる病院が限られています。

 

そのため、まずは出産予定の産院が対応しているか確認が必要。全国の実施医療機関一覧は以下のページから探せます。

 

■全国無痛分娩施設検索 http://www.jalasite.org/area/

 

通っている産院が無痛分娩に対応していなければ病院を変えなければいけませんが、予定日が迫っていると予約がいっぱいで入院を断られる可能性もあります。希望はできるだけ早く伝えましょう。

 

お産が近づき、自然な陣痛が訪れたときに合わせて痛み止めの麻酔を開始できれば理想的ですが、ほとんどの病院ではそれが難しいため、状況を見ながら計画的に薬でや器具で陣痛を起こします。

 

陣痛が始まり痛みが起きてくると、背中から麻酔薬を入れて、脳に痛みが伝わらないようブロックします。同時に他の運動に関わる神経もマヒした状態になるため、たいていはトイレや歩行、食事が制限されます。

 

お産が終わった後の処置は通常の自然分娩と変わりませんが、妊婦さんの負担が軽いため、体力の回復は早いのがメリットと言われています。

 

無痛分娩のリスクを医者に相談する妊婦のイメージ

 

無痛分娩の費用はどのくらいかかる?


無痛分娩でかかる費用は、一般的には自然分娩の費用にプラス3万円~16万というデータもありますが、病院によってかなり異なるため、予約前に確認しましょう。

 

無痛分娩のリスクが気になる人へ


無痛分娩への希望はあるけれど、やはり麻酔による事故のリスクが気になる人もいることと思います。

 

現在発表されているデータでは、2010年から2016年の間に、妊娠中~産後1年以内に残念ながら亡くなった271例の母子のうち、無痛分娩は5.2%とのこと。

 

ただし、無痛分娩中に意識が戻らなくなり1年以上経ってから亡くなった妊婦さんや赤ちゃんはこの数字に含まれていないため、実際は5.2%より高い割合になることは注意が必要です。

 

医学が進歩したとはいえ、そもそもお産自体が昔から命がけであり、どの方法を選んでも100%安全とは言えないのも事実。自然分娩・無痛分娩・帝王切開など、それぞれのリスクを理解した上で最終決定することが大切です。

 

無痛分娩のデメリットや注意点


ママや赤ちゃんの命や、お産の成功に関わるほどではないけれども、無痛分娩ならではのデメリットや、事前に知っておくべき注意点もいくつかあります。

 

実際に無痛分娩を経験したママに話を聞かせてもらいました。

 

「麻酔が始まると、胃腸の動きが悪くなるため、一切の飲食禁止と説明されました。点滴で水分補給できているとはいえ、10時間以上何も飲めないとのどがカラカラで辛かったですね」(Oさん・30歳・1歳児のママ)

 

「無痛とはいうものの注射針を刺す時は独特の神経に障るような痛みがあり、しかも、数時間後に管が詰まってしまったんです!まさかの再度の挿入。予想していなかった部分で辛かったです」(Jさん・31歳・2歳児のママ)

 

「麻酔が始まると歩けないので導尿になりますし、促進剤の点滴などいろいろと処置が多いので、希望したとはいえ、少し自分のお産という実感がなかったのが心残りでした。もう少し事前に検討すればよかったかも」(Yさん・29歳・0歳児のママ)

 

「1人目は無痛分娩でしたが、夫の転勤先で2人目を出産するときは受け入れてくれる産院が近くになく、自然分娩となりました。もちろん痛みは1回目とは比べ物になりませんでしたが、今までの経験でいう痛みとはちょっと違った感覚というか、そこまで恐れるものではなかったと思いました。3人目も考えていますが、たぶん自然分娩を選びます」(Cさん・31歳・3歳児と0歳児のママ)

 

「夫が付き添ってくれたのですが、よくドラマとかで見る”産みの苦しみ”と違ったので、なんとなく出産を大したことないと思ってしまったみたい。子宮の戻らない中24時間体制の育児がスタートするのは無痛分娩でも同じなのに、なんとなく協力が足りなかった気がします(笑)」(Kさん・27歳・0歳児のママ)

 

「私の場合、予定していた日より1週間以上早く破水しまい、急きょ出産となったんです。そしたらその日は麻酔の先生が非番で…なんと無痛分娩ができませんでした!無事生まれましたが、心の準備ができていなかったので怖くて仕方なかったです」(Mさん・36歳・5歳児のママ)

 

無痛分娩のまとめ


初産の年齢も高くなっている現在では、痛みで体力を使い果たすよりも、お産そのものに意識を向け、産後の育児をスムーズに開始できる方を選ぶのも1つの方法かもしれません。

 

しかし、無痛分娩であっても、お産の主体はママと赤ちゃん。なんとなくで決めるのではなく、しっかりと情報収集し、リスクやデメリットもふまえて決断するようにしたいですね。

 

文/高谷みえこ

参考:第61回社会保障審議会「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築について」 

JALA 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会 

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