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今年妊娠した女性は11%減!?「産み控え」と言われても…

出産

2020.10.22

2020年、新型コロナウイルスの流行で外出自粛などが続き、将来への不安が広がるなか、全国の自治体に届け出られた「妊娠届」の件数が、5~7月では前年より11%以上も減少したと報じられました。

 

このことを「産み控え」と表現したニュースを、SNSでも多くの人が話題にしています。

 

2020年5月の「妊娠届」は前年より17%も減った

「妊娠届」は、産婦人科などで妊娠が確認できた人が、自治体の窓口で「母子手帳」を受け取るときに提出する書類です。

 

厚生労働省の集計によると、この妊娠届の件数は、5~7月で前年同時期に比べて11.4%減少したとのこと。

 

とくに、全国的に自粛要請の出された3月以降に妊娠した人が窓口に訪れる時期となる5月は、前年と比べ17%以上も減少したといいます。

 

「産み控え」の言葉に違和感を抱く人も

ところで、新聞やニュースで使われている「産み控え(生み控え)」という言葉に対し、

 

「妊娠するのを控えるのはできるけど、産むのを控えるなんてできないのに」

 

「造語?なんかネガティブなイメージ…」

 

などの違和感を抱く人もいました。

 

この言葉は、筆者が持っている昭和の国語辞典には載っていませんでしたが、インターネットで検索すると、今回初めて作られたわけではなく、少し前から使われているようです。

 

意味は次のように記載されています。

 

・生み控え/産み控え(読み)ウミビカエ

子を持ちたいと考えている夫婦が、経済的負担や仕事への支障などさまざまな理由から、妊娠を見合わせること。 (出典:デジタル大辞林)

 

しかし、今年第2子の妊娠を迷ったすえ見送ったというYさん(31歳・2歳児のママ)は、

 

「自分たちが妊娠を見合わせたというのももちろんありますが、妊娠中はもし感染しても薬が飲めないし、立ち会い出産・面会も禁止、里帰りも遠慮してほしいという状況。希望していても難しいですよね」

 

といいます。

 

関連記事:「本当に外出自粛して下さい」…プレママ・妊婦さんの悲痛な声

 

また、不妊治療に取り組んでいる人からは、

 

「不妊治療で心身と経済的な負担に苦しんでいるのに、自分の都合で産むのを控えて…みたいに響くワードはやめてほしい。事情を知らない人に”おやおや、お宅も産み控えですか”みたいに言われたらメンタル復活できません」(Kさん・34歳)

 

と、「産むことをいくらでも自分たちでコントロールできる」ように捉えられる言い方が気になる…という声もありました。

 

出生数が少ないとどうなるの?

妊娠届が少ないということは、そのまま、翌年度の出生数も減るということ。

 

長期的に少子化がすすむと、将来、次のような悪い影響を社会に与えるといわれています。

 

  • 働き手や納税者が減り、経済成長できなくなる
  • 企業の収益状況が悪化し、給与や収入が減って生活が苦しくなる
  • 高齢者への社会保障の財源が足りなくなり、年金額が減る

 

また、子ども自身にも次のような影響が考えられます。

 

  • 小中学校の統廃合で長距離の通学が増え、子どもの時間的負担や事故・不審者の被害などに遭うリスクが上昇する
  • 勉強・スポーツなどで切磋琢磨し励まし合う相手がいなくなり、能力が伸び悩む

 

関連記事:令和の赤ちゃん、過去最少の86.4万人に「そりゃ自己責任なら出生率下がるよね…」

 

もし、出生数の減少が一時的なものだとしても、その子たちの世代は、人数が少ない学年特有の影響を受ける可能性があります。

 

過去、60年に1度の「丙午(ひのえうま)」年生まれの女性は気性が荒い…という言い伝えを信じて「産み控え」が起こり、1966年(昭和41年)には25%も出生率が下がったことがあります。

 

この年に生まれた人は、高校・大学受験や就職時にライバルが少なかった反面、就職後に自分だけ同期がいないなどの苦労も抱えていたといわれます。

 

とはいえ、現在は、生徒数が少ない学年はあらかじめ合格者数も減らすように調整されますので、ネット上にある「あえて逆張りでこの年に産んだらラッキー」というような期待はあまりしないほうがよいでしょう。

 

「もっと子どもがほしい」人も過去最多に

とはいえ国も少子化には危機感を抱いており、近年、出産を希望する人たちへの経済的支援は少しずつ増えてきています。

 

生命保険会社が、ママ・パパ1100人を対象に実施したアンケート調査によると、子育て費用の中でもっとも負担が大きいものとしてあげられた「保育園・ 幼稚園代」は、前年は66.9%だったのが、2020年には43.3%と大幅に減少したそう。

 

これは2019年からスタートした「幼児教育・保育の無償化」の影響とみられています。

 

同じ調査で、子どもを「さらに欲しい」かどうかたずねた質問には、30.5%が「はい」と回答。

 

2018年の23.4%、2019年の21.3%からぐっと増え、特に妻(女性)では39.5%もの人が「もっと子どもがほしい」と前向きに考えていたそうです。

 

おわりに

「産み控え」という言い方に違和感を覚える人も多かった今回の報道ですが、将来苦労する可能性が高いのに無責任に産むわけにいかない…というのは、真面目な人ほど抱えてしまう不安ではないでしょうか。

 

どのような状況の中で生まれても、すべての子どもがすくすくと育っていけるような社会環境が整うことを強く望みます。

 

文/高谷みえこ

参考/コロナで妊娠届11%下落 来年の出生数、大幅減少へ | 共同通信 https://this.kiji.is/691391406671250529
内閣府「平成16年版 少子化社会白書~少子化はどのような社会的・経済的影響を及ぼすか~」 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2004/pdf_g/pdf/ga130000.pdf
明治安田生命 子育てに関するアンケート調査を実施 ~子どもを「さらに欲しい」と望む人は過去最多! https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2020/pdf/20201015_01.pdf

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