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お腹の子に病気や障がいが見つかったら?出産前から家族を支える産婦人科医の取り組み

出産

2019.07.27

2019.12.02

林伸彦先生

ワンストップの相談窓口で決断を支援


親子の未来を支える会が行っている支援はどういうものなのでしょうか。

 

林先生

NPO法人が運営しているオンラインピアサポート「ゆりかご」では、相談を投稿すると、実際に病気や障がいがあるお子さんを育てている方、関わっている医療者、病気や障がいを理由に出産をあきらめた方など、登録しているサポーターに無料で話を聞くことができます。「ピアサポート」とは、同じような立場にいる人によるサポートという意味で使われる言葉です。

 

産んだらどういう未来が待っているのか、産まなかったらどういう未来が待っているのか。実際の体験を聞くことで少しでも「見える」ようになれば、分からないまま漠然とした不安を抱いているよりも気持ちを整理でき、納得のいく決断に近づくと思っています。相談者には、「誰にも相談できなかったことを話せた」とおっしゃる方も多く、1人で抱え込まず誰かに話せる場があるということも重要です。

 

会を設立して5年経ち、今このサポートをより充実させていこうとしているところです。

 

新たな取り組みとして「胎児ホットライン」を設立するためのクラウドファンディングを行い、当初の目標額210万円の2倍近い支援が集まったそうですね。

「胎児ホットライン」というのはどういう仕組みでしょうか?

 

林先生

一言でいうと、ワンストップ型の相談窓口です。「ゆりかご」を運営してきて、利用する方には色々なニーズがあるということが分かりました。仲間につながりたい方もいれば、医療者から情報を得たい方もいる。「ゆりかご」は1対多数の仕組みなので、相談者が相談を投稿すると多くのサポーターの目にとまります。でも相談内容によっては、いきなり不特定多数の目にとまる投稿をすることは非常に難しかったり、あまり重要ではなかったりします。

 

そこで「胎児ホットライン」へと仕組みを変えることを目指しています。相談者はまず「胎児ホットライン」に電話やLINEなどで問い合わせをして、専門の研修を受けた相談員に相談をすることになります。そこで、相談者の不安や選択を整理し、必要なサポートへと繋ぎます。たとえばカウンセリングを必要としていればカウンセラーへ。仲間との繋がりを求めていれば、特定のピアサポーターや「ゆりかご」を紹介します。お金に関する不安があれば、ライフプランナーがライフプランニングを行います。日本国内で胎児治療を受けられないような場合には、海外の連携機関受診のお手伝いもします。

 

なるほど。より適切な相手に相談ができる仕組みになるということですね。

 

林先生

さらに、妊婦さんやパートナー、赤ちゃんのきょうだい、祖父母など、それぞれの立場に寄り添った情報を掲載したブックレットも作成しています。

 

ゆりかごを運営してきて、赤ちゃんのきょうだいにどう説明するか、産むことに反対している祖父母にどう説明したらいいかなど、多くの方がぶつかる問題が見えてきました。妊婦さんはもちろん、周りの方も「健康に生まれてくる」と思っていた前提が崩れて戸惑い、どうすればいいのか分からない状況になってしまいます。

 

ブックレットには、それぞれが今後直面する状況の解説や知っておいてほしいこと、医療者と話すときの参考になるような質問のリストや支援団体の情報などを掲載しています。

 

この情報によってそれぞれが少しでも不安や葛藤に対処しやすくなり、まわりのみんなで妊婦さんを支えていけるようになることを願っています。

 

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