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「二重まぶた」は遺伝する?素朴な疑問に答えます

出産

2020.08.02

2020.08.05

「私はずっと一重まぶたがコンプレックスだったから、子どもにはぱっちりとした二重になってほしい」という妊婦さんや赤ちゃんのママの話をときどき聞きます。

 

たしかに身体的な特徴は遺伝によるものが多いですが、まぶたの一重・二重は必ず親から子に遺伝するのでしょうか?

 

今回は、二重まぶたの構造や遺伝の確率を決める仕組み、なぜ「二重まぶたのほうがいい」と感じる人が多いのか…などについて解説します。

 

二重まぶたのしくみとは?

一重まぶたと二重まぶたでは、まぶたの構造はどう違うのでしょうか?

 

上まぶたの内側には「瞼板(けんばん)」という軟骨のような板があり、そこにつながっている「上眼瞼拳筋」という筋肉が瞼板を引き上げて目が開く…という仕組みになっています。

 

そして、この上眼瞼拳筋が途中で枝分かれして上まぶたの皮膚にもつながっている人は、まぶたを引き上げるポイントが2つあるために二重まぶたになると言われています。

 

一方、上眼瞼拳筋の枝分かれがない人では一重まぶたになります。

 

さらに、内側では二重まぶたの構造であっても、体質的に上まぶたに皮下脂肪や皮膚の分量が多いため、ひだが折り畳まれず一重まぶたや奥二重に見える人もいます。

 

日本人の二重まぶたと一重まぶたの割合は?

日本美容外科学会によると、日本人のうち一重まぶたと二重まぶたの人の割合はほぼ半々だということ。

 

他にも「二重まぶたが3割、一重まぶたが7割」「一重と奥二重と二重がほぼ3分の1ずつ」などの説もありますが、正式な統計・分類は現在見あたりません。

 

しかし歴史をさかのぼってみると、もともと全人類は二重まぶたの構造を持っていたようです。

 

そのうちで「モンゴロイド」と呼ばれる日本人の祖先が、おもに寒冷地で暮らすようになりました。

 

氷点下にもなる気候下で凍傷や凍結を防ぐため、凹凸の少ない目鼻立ちや薄い体毛へと外見が変化していき、まぶたが凍って貼り付きにくい「一重まぶた」の人の割合が増えていったと考えられています。

 

二重まぶたは遺伝なのか

親子の身体的特徴がある程度遺伝することは、誰でも体験から知っていると思います。

 

しかし、単純にパパ・ママのどちらかとまったく同じになるわけではなく、例えば「身長」が決まるのには100種類近い遺伝子が関係しているそう。

 

「まぶた」に関しても、少なくとも4つ以上の遺伝子が関わっていると考えられています。

 

学生時代に生物が得意だった人はすぐに「メンデルの法則」が思い浮かぶと思いますが、一重まぶたと二重まぶたも、基本的にはこの法則にしたがって決まります。

 

ヒトの血液型を例にとってみると、「A型」といっても実は「AA型」と「AO型」に分かれていますね。

 

この場合、Aが遺伝しやすく(顕在遺伝)、Oは遺伝しにくい(潜在遺伝)性質があります。

 

同様にまぶたの形状にも「二重×二重」「二重×一重」「一重×一重」という遺伝子の組み合わせがあり、両親がそれぞれ二重と一重の遺伝子を持っていた場合は、二重のほうが遺伝しやすい性質があると分かっています。

 

「両親が一重で子供が二重」の確率は?

上記に照らし、赤ちゃんのまぶたが一重になるか二重になるかは、次のような確率で決まるといわれます。

 

  • 両親ともに二重…75%以上の確率で赤ちゃんも二重
  • 1人が一重でもう1人が二重…50%ずつの確率で一重か二重
  • 両親ともに一重…100%の確率で赤ちゃんも一重

 

ですが、先に解説したように、ぱっと見は一重でも内部の筋肉は二重の構造を持っている人もいるため、上記が一概に当てはまるとは限らないのが実情です。

 

また、赤ちゃんや子どもの顔は日に日に変化していくため、新生時期には一重で、成長に伴いだんだんと二重に変わってくる子もいます。

 

成長・年齢とともにまぶたは変化する

もうひとつ、日本人を含めたアジア系の人に多いまぶたの特徴の1つが「蒙古(もうこ)ひだ」です。

 

目の中心寄りから、上まぶたの皮膚が目頭を覆うようにつながる状態をいいます。

 

「蒙古ひだ」も寒冷地で生きてきた名残りだと考えられており、鼻が高く彫りの深い欧米人ではあまり形成されないそうです。

 

日本ではほとんどの赤ちゃんに蒙古ひだが見られますが、成長して鼻筋が通ってくるにしたがい、蒙古ひだが少なくなっていく傾向があります。

 

また、「一重だったのが、20歳頃から自然に二重になった」「年を取って奥二重が二重に変わった」という人も意外と多く、それには次のような理由があると考えられています。

 

  • 成長や加齢で骨格が変わり、まぶたの幅や皮膚の範囲が変わった
  • 成長や加齢・痩せたことにより、まぶたの皮下脂肪が減った
  • 生活習慣や体質の変化により、まぶたのむくみ(水分量)が減った

 

上記により、本来の二重が現れてきたといえます。

 

なぜ「二重」がいいと感じる人が多いのか

日本では、平安時代にはふくよかで目が細い女性が美人とされてきました。文献によると、目が大きいと「気持ち悪い」とまでいわれたとか。

 

しかし明治以降、ヨーロッパを中心とした国々が経済・技術・文化などでリーダーシップを取りはじめると、それに追いつこうとして服装や生活の欧米化が急速に進み、いつしか「美人」の基準も欧米のものになっていきました。

 

現代では、特に女性の人気アイドルや芸能人は、揃って二重まぶたや大きな目をしています。

 

また、アニメや漫画のヒロインも目のぱっちりした女の子が多く描かれますし、雑誌や動画のメイク特集、写真加工アプリでも目を大きくするのが目的…ということが非常に多くなっています。

 

そんな環境の中で成長すれば、誰でも「目が大きい、二重まぶた=ルックスがいい」と刷り込まれても不思議はありません。

 

親として、子どもたちに伝えたいこと

もしわが子が、一重まぶたで目が細い容貌をからかわれたら?

 

あるいは他の子に向かって「○○ちゃんって目が細くてキツネみたいだね」とからかっているのを見てしまったら。

 

親にできるのは、子どもを否定せず傷ついた気持ちに寄り添ったり、反対に容姿で人をからかったりするのは絶対に許されないことだと言い聞かせたり…ですよね。

 

でも、もし親がそれまでにマイノリティ(少数派)の人の容姿をからかってきたとしたら、口先で言い聞かせても説得力がないため、日頃から容姿で人を貶めないように気をつけることも大切です。

 

近年では、BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動や、パリコレモデルの過剰なダイエット禁止など、

 

「生まれつきの見た目で人の価値を決めない」

「ルックスも多様性を大切にしよう」

「マジョリティ(多数派)の価値観を押しつけない」

 

というムーブメントが起こりはじめています。

 

しかしその一方で、アメリカや韓国では、就職・婚活対策に整形手術がポピュラーな手段となっていて、日本でも美容整形手術の件数は増加中。

 

美容整形について動画配信するインフルエンサーも登場し、2018年に二重まぶたの手術をした人は約80万人ともみられています。

 

もしわが子が将来「整形手術をしたい」と希望したら、親としてどのように話せばいいでしょうか。

 

まずは親はわが子がそのままで世界一かわいいと思っていることを伝え、しかし本人の心情は何より大切であることをふまえた上で、美容整形にはリスクもあることを冷静に親子で確認・整理する必要があります。

 

いざというときに思考停止してしまったり、慌てたり、感情的になって言うことがブレたりしないよう、ぜひ一度シミュレーションしてみることをおすすめします。

 

おわりに

現在の日本では、とくに女の子ではぱっちりした二重がかわいいと感じる人がまだ多数派かもしれません。

 

しかし、今後グローバル化する世界では「美」の基準も徐々に変わっていくことが予想されます。

 

ママやパパにとっては一重でも二重でもわが子は世界一かわいいものですが、子どもの気持ちも受け止めつつ、容姿についての広い視点を育てていってあげたいですね。

 

※本記事は、医療機関や公的機関が発表している資料に基づいた一般的な知識を紹介しており、医師の診察にかわるものではありません。

 

文/高谷みえこ
参照/目についての健康情報 | 公益社団法人 日本眼科医会 https://www.gankaikai.or.jp/health/
二重の手術|美容外科の手術|一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS https://www.jsaps.com/surgery/eyelid.html

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