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ベビーサインのデメリット「言葉が遅れる」って本当?

出産

2019.07.23

2020.04.04

ベビーサインをする親子のイメージ

まだ言葉を話せない赤ちゃんが、特定のしぐさによって、ママや周りの大人に要求や気持ちを伝える「ベビーサイン」。小さな手でベビーサインを見せてくれる様子は本当にかわいいですね。

 

でも、「ベビーサインに頼っていると、言葉が出るのが遅くなる」…そんな話を聞いたことはありませんか?

 

たしかに、いちいち言葉を探さなくてもいつものしぐさで伝わるとしたら、子どもは話す必要性を感じず言葉が出るのが遅れる…というのももっともに聞こえます。

 

そこで今回は、ベビーサインは本当に言葉が出る時期に影響するのかどうか考えてみました。

「ベビーサイン」とは?


「ベビーサイン」は、アメリカの幼児心理学者リンダ・アクレドロ博士とスーザン・グッドウィン博士が考案・提唱した乳幼児コミュニケーションの手法です。

 

アクレドロ博士が、自らのお子さんが手の動きで意思を伝えてくるのを見て、広く赤ちゃんと大人の意思疎通に応用できないかと考えたことがきっかけで研究が始まり、1990年代に本が出版されるとアメリカやイギリスを中心に広く実践されるようになりました。

 

日本では2000年頃から「一般社団法人 日本ベビーサイン協会」によって紹介され、教室・本・インターネットなどを通じて実践するママが増えています。

 

赤ちゃんは、口の周りの筋肉の発達よりも指先の発達の方が早いといわれています。

 

生後6か月を過ぎると、だんだんとママをはじめとする周囲の人の手の動きを真似たり、言われたことを理解して指さしたりできるようになってくるため、お手本を見せてベビーサインを教えることが可能になるそう。

 

手の動きで「おっぱい(ミルク)がほしい」「おむつが濡れている、ウンチが出た」「(離乳食などを)もっと」など、言葉で伝えられない状態や要求を表現できるようになると、大人は的確なお世話ができるようになり、赤ちゃんは要求が伝わらず泣くことが減るといいます。

 

もちろん、赤ちゃんと日々過ごしていればサインがなくてもある程度のことは分かるもの。

 

しかし、日頃仕事が忙しく一緒に過ごす時間の少ないパパや、祖父母ともベビーサインを共有できれば、ずいぶんと意思疎通がスムーズになりそうですね。

 

ベビーサインの真似をする赤ちゃんのイメージ

 

ベビーサインのデメリット「言葉が遅くなる」真偽のほどは


ところで、ベビーサインは赤ちゃんの気持ちや要求を表すのにとても便利であるが故に、「言葉の遅れにつながる」という意見もあります。

 

保育士さんや祖父母から、「そうやって手振りでなんでも伝えるからしゃべれないのよ」と言われて、不安になったり悲しい思いをしたママもいるかもしれません。

 

これについては、提唱者のリンダ・アクレドロ博士とスーザン・グッドウィン博士が検証のための研究を行っています。

 

140組の親子を、ベビーサインを使ったグループと使わなかったグループに分け、3歳になるまで言葉の発達を観察したところ、のべ17回のテストのうち16回で「ベビーサインを使ったグループの方が言葉の発達が早い」という結果が見られたそうです。

 

とはいえ、同じ子でベビーサインをやっていた場合とやらなかった場合でどう違っていたのかを確かめることはできませんよね。

 

つまりベビーサインによって「言葉が出るのが遅くなる」「影響はない」「むしろ早くなる」どれが真実なのかは誰にも分かりません。

 

筆者の周囲では、ママが「この子なかなか言葉が出ないのよね」と心配していた子たちにベビーサインをしていた子はいませんでしたが、人間は物事が思い通り進まない時にはつい「〇〇のせい」と理由を探したくなるもの。

 

祖父母や保育士さん、時にはパパやママ自身でさえ、その子の言葉が遅いことを「何とかしてあげたい」と思う愛情のあまり、ベビーサインが悪いのでは…と言いたくなってしまうのかもしれませんね。

 

これが「ベビーサインで言葉が遅くなる」の真相に近いのではないかと思われます。

 

ベビーサイン、こんな点には少し注意して/h2>


最後に、ベビーサインに関して少し注意すべき点を考えてみました。

 

覚えさせること自体が目的ではない

アメリカのベビーサイン普及団体「BabySignLanguage.com」を見ると、実際にママが赤ちゃんにベビーサインを教えている動画があり、「自分の言いたいことがママに通じた」と分かった時の赤ちゃんたちは皆キャッキャと声を上げて喜び、本当にかわいいです。

 

ただ、「できたから偉い・いい子」というほめ方をしたり、サインをたくさん覚えさせることが目的になってしまうのは本末転倒かもしれません。

 

「ママに伝わった」という、赤ちゃんのうれしい気持ちを共有し、一緒に喜ぶという気持ちが大事なのではないでしょうか。

 

日本とアメリカの国民性も意識して

ベビーサインはアメリカ生まれです。

 

アメリカでは「黙っているのはそこにいないのと同じ」「言葉で表現することが大切」という価値観が日本と比べ強いといわれます。ママが赤ちゃんの要求を察するのではなく、サインで明確に意味を伝えさせるのもその表れかもしれません。

 

いっぽう日本では、伝統的にちょっとした表情やしぐさから相手の気持ちを汲むのが良いとされ、言ってみれば誰でも自然にベビーサインを読み取っているようなところがあります。

 

どちらが良い・悪いというものではありませんが、違いは意識しておいた方がいいでしょう。

 

覚えてくれない時も、焦る必要はない

ベビーサインで赤ちゃんが「耳が痛い」と訴えてきたおかげで、早く中耳炎に気付けたというケースもあり、とても便利なものではありますが、ベビーサインができないと親子の意志疎通が劣るというわけではありません。

 

「赤ちゃんがなかなかサインを覚えてくれない」という場合も、大切なのは、ちゃんとコミュニケーションが取れているかどうか。自信を持ってお世話してあげれば良いと思います。

 

「ベビーサイン」のまとめ


筆者の娘たちが小さい頃は、「ベビーサイン」という言葉はそれほど知られておらず、教室や体験講座などを見かけることもほとんどなく、自分はもちろん周りでやっている人はいませんでした。

 

今回の記事で、ママたちの

「子どもと散歩中に先日猫がいた場所に来ると、サインを出してここに猫がいたよと伝えてくれれたので、子どもの心の中に触れることができて嬉しい気持ちになった」

などの経験談を聞くと、当時やってみたら楽しかったかも…と思いました。

 

ベビーサインは必死で教え込むものではなく、親子の交流を楽しむためのひとつの方法として捉えるのがいいかもしれませんね。

 

文/高谷みえこ

参考:BabySignLanguage.com

一般社団法人 日本ベビーサイン協会

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