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子どもの不調にご用心❹目の発達/6歳以前のスマホは、目の発達をさまたげる!

子どもの健康

2018.08.08

2020.02.12

電車内や病院の待合室などで、子どもに静かにしていてほしいときってありますよね。こんなときに便利なのがスマホ。“本当はよくないのかも”と思いつつ、ついスマホを渡して、アニメを見せた経験のあるママも多いはず。

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さらに子どもが成長し、小中学生になると、「私もスマホを持ちたい!」と言い出すのは必至。その一方で、スマホ育児に警鐘を鳴らす声も多く聞かれます。スマホのせいで目が悪くなったりしないかも、気になるところ。そこで今回は、子どもの目の治療を専門とする、小児眼科の富田 香先生にお話をうかがいました。

「子どもの目の発達は、6歳までが勝負です。生まれたときは“明るい”“暗い”の違いしか判らなかったのが、2歳になるまでに、視力0.5くらいまで発達します。1.0まで発達するのは、およそ5歳ごろ。乳児期から6歳までのあいだに、徐々に完成していくんですね。この間に大きなトラブルがあると、そこから先の回復は困難です。『スマホを見せちゃダメ』とはいいませんが、できるだけ短時間の使用にとどめるのが原則です」

スマホばかり見せていると、眼球運動も発達しない

視力だけでなく、眼球運動が発達するのも6歳まで。近くを見たり遠くを見たりするなかで、うまくピントを合わせたり、見たい方向に目を動かす能力は、6歳までの発達段階で、徐々に身についていくといいます。

富田先生によると、
「眼球運動は、体を動かすなかで発達していくものなんです。走ったり、ボールを追いかけたり、ブランコに乗ったり。こういう大きな体の動きと一緒に、眼球運動は発達します。
これができるようになると、今度は、細かい手先の動きと目の協調運動を身につける段階。鉛筆を持ったり、ハサミを持ったりするなかで、自分の手の動きと目の動きを連動させられるようになるんです。この能力も、視覚の発達にはすごく大事で、ものを注意深く見たり、たくさんの刺激のなかから、見たいものを選択して見ることができるようになります」。

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このような目の発達を考えたときに、スマホの使用はやはりよくないそう。スマホを見ているあいだは、体を動かすこともなく、ピントもつねに一定のままです。眼球が動くのも、小さな画面の範囲内だけ。さらに、小さい画面を見続けることで、斜視を発症したり、悪化させてしまう子どもも増えています。無意識のうちに目を内側に寄せるなどして、画面を眺めることが、原因のひとつと考えられています。スマホを毎日見せる習慣は、目にとってかなりの悪影響といえそうです。

1日2時間の外遊びで、近視を防ぐ

この10年、15年で、近視の子どもが急激に増加しています。かつては遺伝的な影響で近視になるといわれていましたが、遺伝だけではとても説明できません。そこで現在は、環境面に注目した研究が進められているのだとか。

「いまの段階ではっきりわかっているのは、姿勢が悪く、対象との距離が30cm未満だと、近視が進行すること。その意味では、スマホの影響も見過ごせません。
じつは姿勢が決まる年齢は、2、3歳くらいといわれていて、ママたちが思っているよりずっと早いんです。絵本を読んだり、鉛筆を持ったりしはじめるこの時期に、顔を近づけずに作業させることがとても大事。スマホの場合は、対象との距離がせいぜい20~25cmなので、どうしても首を突き出す姿勢になってしまいます。使用は極力短時間にとどめたほうがいいし、スマホを見せはじめる年齢は、遅ければ遅いほどいいと思ったほうがいいでしょう」。

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反対に、外で日に当たって過ごす時間を長くすることで、近視の進行が遅れることもわかっています。
室内照明の光には、まぶしさを感じる「ブルーライト」が多く含まれるのに対し、日光にはさまざまな波長の光が均一に混ざっています。しかも日光は、室内光の何十倍、晴れた日では約1000倍もの明るさがあります。まだ研究段階ではありますが、近視抑制に役立つ可能性がある「バイオレット光」が含まれることも、よい影響をもたらすのかもしれません。
目標は1日2時間。働くママにとっては負担かもしれませんが、6歳までのあいだは、できるだけ外に連れていくよう心がけましょう。

何歳になったら、スマホを持たせていい?

では、本人用のスマホを持たせてもいいのは、何歳くらいからなのでしょう。
富田先生のお話では、「いまは小学生でも、スマホを持っている子が増えていますよね。でも本当は、大人になるまで待ってほしいというのが、私の本音です。ゲームも含め、電子機器にふれる時期が早ければ早いほど、長時間やるようになるという報告もあります」。

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「早い年齢で与えてしまうと、目の発達はもちろん、子どもの発達全体に悪影響を及ぼすんです。中学生でも、スマホの使用時間が長いほど、成績が低下することがわかっています。子どもにとっては楽しいツールですから、渡して自由にさせれば、かぎりなく使ってしまう。その結果、とり上げるとパニックになり、かんしゃくを起こす子もいるほどです。視力が低下していたり、生活全般に支障が出たりしている子に、スマホの長時間使用をやめさせたいと思っても、それができないのです」。

子どもたちの目を長年診てきた富田先生の意見としては、「スマホを持たせるのは、最低でも中学生以上」。その場合も、ルールを守って使わせることが大事です。
「充電器はママが管理するから、充電が必要なときはママに渡すこと」「使っていいのは21時まで。自室に持っていかないこと」といったルールを、スマホの購入前に細かく決めておきます。

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「持たせた後で使いすぎを注意しても、たいていは無意味。家庭内できちんとルールを決めてから、使わせるようにしてくださいね」

<取材協力>

tomita

富田 香先生(平和眼科院長)
1980年慶應義塾大学医学部卒業。国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)等の勤務を経て、1987年より平和眼科勤務。専門は小児眼科。とくに知的障害、肢体不自由、聴覚障害、発達障害など、さまざまな障害をもった子どもの視覚支援に力を注ぐ。

取材・文 川西雅子

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