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子どもの不調…高校生までは「小児科」を受診すべき深い理由

子どもの健康

2018.06.26

2020.02.12

「今日こそ仕事を進める! 絶対に!!」。そう思って出社した日に限って、保育園から電話。熱を出してぐずるわが子を迎えに行き、あわてて小児科へ。

働くママの多くが、たびたびこんな経験をしているのではないでしょうか。

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子どもが小さいうちは、小児科にはしょっちゅうお世話になるものです。ワクチン接種はもちろん、原因不明の発熱や湿疹、さらには発育不良など、どんな症状も診てくれるのが小児科の頼もしいところ。

でも子どもが成長するにつれ、とっさの事態も徐々に少なくなり、やがて小児科にかかる機会が減ってきます。

そして、ある日ふと疑問に思うことが。「うちの子、いつまで小児科に診せればいいんだろう?」 

15歳を過ぎても成長・発達はつづく

じつは「小児」の定義に、明確な年齢区分はありません。領域によっても、法律によっても変わってきます。医療の現場では、おおよそ15歳くらいまでとされますが、これは15歳を境に薬の処方量が変わるため。

中学生と高校生を境に、社会的に年齢が区切られること、地域によっては“中学生まで医療費無料”となっていることなども関係しているようです。

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肝心の、小児科の受診年齢はどうなっているかを調べてみると…小児科学会のホームページには、「小児科医は、子ども達が成人するまで見守ります」との宣言が。

えっ、20歳まで小児科なの!?

早速この疑問を、学童期から思春期の子どもたちを多く診ている、慶応義塾大学病院の関口進一郎先生にぶつけてみました。

「昔は、小児科といえば中学生くらいまでというのが一般的だったんです。でも、15歳になったとたんに成長・発達が止まるわけじゃない。15歳から20歳までは“移行期(transition)”といって、小児医療から成人医療に移る途中の段階なんです。そこで生じる不調や病気を、小児科が責任をもってフォローしていこうというのが、いまの世界的な流れです」

性成熟を迎える、思春期の悩みにも対応

成長・発達にともなう思春期特有の悩みも、じつは小児科医の得意分野なのだそう。第二次性徴がはじまったときに起こる、性成熟についての相談にものってもらえます。

たとえば女の子なら、生理不順や生理痛。男の子では、一時的に胸がふくらむ「生理的女性化乳房」などの症状が出ることも。性体験がはじまれば、性感染症にかかるリスクもあります。

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さらにこの時期には、頭痛や疲れやすさなどの慢性不調や、うつ状態などの心の不調が出てくることも少なくありません。自律神経のバランスが乱れて、朝起きられなくなる「起立性調節障害」も、この年齢に多い病気です。

親にとっては、不登校も悩みの種。これらを全部ひっくるめて、成長と発達にともなう悩みに対応してくれるのが、小児科医なのです。

内科受診は、高校を卒業してからでもいい

 もちろん、先生によって、得意・不得意はあります。専門的な治療を必要とする病気なら、より適した専門科の先生を紹介されることもあるでしょう。

でも、幼少期から診てくれている先生なら、病歴や体質だけでなく、性格まで知っています。ママとしても何でも相談しやすく、心強いのではないでしょうか。

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関口先生いわく、「小児科医は、症状を言葉で訴えられない子どもたちを診ることが専門です。だから、生活環境や、表情・感情の変化までよく把握して、手厚いケアをできるのが強み。病気かどうかわからない不調や、ささいな変化も相談してくれていいんですよ」。

子どもの心身をよく理解している先生に、思春期まで長く診てもらうには、信頼できる小児科医を早期に見つけておくことも大切です。「この先生なら安心」と思える小児科医に出会ったら、そこをかかりつけ医とすることをお勧めします。

内科に行くのは、高校を卒業してからでも、20歳になってからでも遅くありません。どちらに行きたいか、本人の意向もよく聞いて決めるといいでしょう。 

取材協力:関口 進一郎
慶應義塾大学助教(医学部小児科学)
子どもの総合診療を専門とし、周産期・小児医療センターでは「生活空間から子どもを診るチーム」として外来を担当。“生活環境が子どもの健康に影響を与えていないか”“就学・進学などの変化が健康に影響していないか”など、幅広い視点から子どもの心身を理解し、診療に当たっている。

取材・文:川西雅子

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