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ネットいじめは加害者も被害者もPTSD発症につながる可能性がある

子どもの健康

2020.07.03

ネットいじめをする子ども

ネットいじめは、いじめる側といじめられた側のどちらでも心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症につながる可能性があると、英インペリアル・カレッジ・ロンドン精神科のAna Pascual-Sánchez氏らが「Archives of Disease in Childhood」6月23日オンライン版に発表しました。

 

ネットいじめの発生率は10~40%

調査からは、ティーンエージャーにおけるネットいじめの発生率は10~40%と推定された。また、同氏らは、ネットいじめは昼夜を問わず匿名で行われるため、対面的な従来型のいじめとは異なる特別なリスクを伴うとの考えを示しています。

 

ネットいじめとは、オンライン上での嫌がらせや誹謗中傷のことを言い、匿名でなされることが多いです。今回の研究は、ロンドン市内4カ所の中等学校に通うティーンエージャー(11~19歳)の生徒2,218人を対象としたもの。質問票を用いてネットいじめの実態を調査しました。

 

その結果、生徒の46%が従来型のいじめかネットいじめのいずれかの経験があり(従来型のいじめが33.5%、ネットいじめが25.5%)、17%は被害者として、12%は加害者として、4%はその両方でいじめに関与していました。

 

また、ティーンエージャーの13.3%はネットいじめの被害を受けた経験があり、8.4%は加害者になった経験があって、3.7%はその両方を経験。

 

一方で、従来型のいじめについては、16.4%が被害を受けた経験があり、12.2%は加害者になった経験があって、6.6%はその両方を経験していました。なお、ネットいじめと従来型のいじめに関与した生徒は一部、重複していましたが、ネットいじめの加害者が従来型のいじめに関与する頻度は低い結果に。

 

ネットいじめに関与する若者はPTSD症状が現れやすい

さらに、1,516人のティーンエージャーを対象にPTSDを評価し、自分では望んでいないのに人前で話すのがはばかられるような考えが浮かんでくる「侵入思考」や、不安や恐怖を体験することから逃げる「回避行動」のスクリーニングを実施。

 

その結果、ネットいじめの被害者の35%、加害者の29.2%、どちらも経験した人の28.6%にPTSD症状が認められることが明らかに。

 

Pascual-Sánchez氏らは、ネットいじめは既に蔓延していることから、「小児科医は、患者の心理的な評価の一環として、ネットいじめに関わっているかどうかを日常的に尋ねるべきだ」と指摘。「親や学校の教師、医療従事者は、ネットいじめに関与している若者ではPTSD症状が現れやすいことを知っておく必要がある」と述べています。

 

ただし、同氏らは、今回の研究は、ネットいじめとPTSDの因果関係を証明するものではないことを、研究の限界点として挙げています。

 

これらの結果を踏まえ、Pascual-Sánchez氏らは、「ネットいじめは従来型のいじめよりも頻度が低い。それにも関わらず、ネットいじめ加害者の3人に1人以上は従来型のいじめに関与したことがなく、また、ネットいじめ被害者の大多数は従来型のいじめにおいても、主に被害者(または被害者と加害者の両方)として関与している」という相違点に注目。

 

「このことから、匿名性がいじめの発生する新たな場を作り出している可能性が示唆される」と付け加えています。(HealthDay News 2020年6月23日)

 

https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/bullying-health-news-718/cyberbullies-and-their-victims-can-both-develop-ptsd-758807.html

 

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

 

(参考情報)

Abstract/Full Text

https://adc.bmj.com/content/early/2020/04/15/archdischild-2019-318716

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