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子どもの不調にご用心❸睡眠障害/慢性症状に〝深刻な問題〟が隠れているかも

子どもの健康

2018.07.24

2020.02.12

「布団に入っても、いやなことばかり思い出して寝つけない」「朝起きて学校に行くことを考えると、ゆううつになる」…ストレスを抱えた子どもが、こんな理由で不眠がちになることはめずらしくありません。

睡眠の問題には、不眠や過眠、睡眠時無呼吸症候群などのさまざまなパターンがあり、これらを総称して「睡眠障害」といいます。

日本の子どもにとくに多いのは、“睡眠不足症候群”。睡眠時間が後ろにずれてしまい、日中の活動に支障が出る“概日リズム性睡眠障害”も多いといわれています。

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小中学生、高校生のお子さんたちを多く診ている、慶應義塾大学の関口進一郎先生によると、

「現代の子どもは、学校に塾、部活にお稽古ごとにと、大人並みに多忙な生活を送っています。そのため就寝時間が遅くなり、睡眠時間も短くなりがち。そこにストレスが加わると、寝つきが悪くなり、ますます睡眠時間が短くなってしまうんです」。

寝つきが悪く、朝つらい子の多くは睡眠障害 

ときどき夜更かしする程度なら大丈夫ですが、早く寝ようと思っても眠れない状態がつづいているなら、睡眠障害のおそれがあります。子どもの脳はまだまだ未発達。慢性的な睡眠障害によって、思考力や記憶力などに悪影響が出るおそれもあり、事態は深刻です。

関口先生によると、
「睡眠障害は、大人にも子どもにも見られ、日本人の多くが抱えている問題です。ただ、子どもの場合の睡眠障害にはいろんなパターンがあり、自分で原因を分析できないのも特徴です。

うつ病などの深刻な問題が隠されていることもありますし、ゲームなどに夢中になって、夜更かしがつづいた結果、慢性的な不眠に陥る子もいます。“夜のほうが体調がいいし、勉強もはかどる”というお子さんもめずらしくありません。そのため診察時には、ひとりひとりの生活習慣をくわしく聞くようにしています」。

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 就寝時刻がいつも12時以降で、朝もつらそうにしているときは、一度小児科で診てもらいましょう。朝起きてから寝るまでの行動を、1週間分記録してもっていくと、診察にも本人の意識づけにも役立ちます。

ストレスが大きいようなら、小児科やメンタルクリニックの医師、臨床心理士に話を聞いてもらうことで、睡眠の問題も徐々に改善していきます。

スマホが原因で、睡眠障害が悪化

最近は、スマホが原因で不眠がちになっている子どもも増えているようです。

スマホやパソコンなどの液晶光は、自然界では考えられないレベルの明るさ。そのため寝る前に液晶画面を見ると、脳が興奮して眠れなくなってしまうのです。

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テレビにも同様の影響があり、つねにテレビがついている家庭では、子どもが不眠になりやすいといわれています。睡眠障害を防ぐには、就寝時刻の12時間前にはリビングのテレビを消し、スマホにもふれさせないのが理想的です。 

そうはいっても、年齢が上がるほど、親のいうことを聞かなくなるのも事実。「わかった、わかった」といって自室に入り、いつまでもスマホを見ているものです。関口先生いわく、

「スマホを見ているとなぜ眠れなくなるのか、体にどんな影響があるのかを、第三者から話したほうが、素直に理解してくれるようです。不眠がちで、疲れた顔をした子どもたちに、診察室でていねいに説明をすると、“じゃあ、ちょっと試してみます”といって、次回診察時に改善されていることもよくあります。

子どもにとっても日中の眠気、だるさはつらいものなので、それを改善するための前向きな方法として、お話しするようにしています」

睡眠時間だけでなく、質にも注意!

眠りで大切なのは、時間と質の両方。夜更かししていなくても、睡眠の質が低いせいで、日中の眠気がとれない子どももいます。これも睡眠障害の一種です。

とくに、慢性的ないびきには注意が必要です。米国睡眠医学会の報告では、健康な子どもの2%に、睡眠時無呼吸症候群がみられるのだとか。

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睡眠時無呼吸症候群は、眠っているあいだにのどの一部がせまくなり、呼吸が止まったり、浅くなったりする病気。酸素が全身にいきわたらず、疲れやすさ、日中の眠気につながります。中高年の病気と思われがちですが、じつは子どもにも多いんです。

関口先生によると、
「お子さんの睡眠時無呼吸の原因として多いのが、扁桃腺の肥大です。扁桃腺が大きいと、空気の通り道がせまくなりやすいんです。耳鼻科で手術をするとよくなりますので、早めに診てもらいましょう。

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それから、夜中に息苦しそうにして、うつぶせで寝ているお子さんにもご注意を。ぜんそくなどの呼吸器疾患が見逃されていたり、うまくコントロールされていないときに見られる症状です。

見慣れた寝姿に、思いがけない病気が隠されていることもありますから、変だなと思ったら、迷わず小児科に来てくださいね」

《参考文献》
『小児科臨床ピクシス14 睡眠関連病態』五十嵐 隆総編集・神山 潤専門編集(中山書店)

 取材協力/関口 進一郎 慶應義塾大学助教(医学部小児科学)
子どもの総合診療を専門とし、周産期・小児医療センターでは「生活空間から子どもを診るチーム」として外来を担当。“生活環境が子どもの健康に影響を与えていないか”“就学・進学などの変化が健康に影響していないか”など、幅広い視点から子どもの心身を理解し、診療に当たっている。

取材・文 川西雅子

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