コピーしました
お使いの端末は
この機能に対応していません

子どもの不調にご用心❷起立性調節障害/うちの子、どうして起きられないの!?

子どもの健康

2018.07.10

2020.02.12

朝、子どもを起こそうとしても、ちっとも起きない。大きく揺さぶっても反応なし。あきらめてそのまま会社に行くと、「どうして起こしてくれなかったの!?」と、あとで責められる――。皆さんにも、こんな経験はありませんか?
お子さんが朝起きられないのは、「起立性調節障害」という病気の症状かもしれません。

起立性調節障害とは、自律神経の不調によって起こる病気。とくに中学生のお子さんに多く、発達の早い子では、小学校高学年で発症することもあります。

0710_5

次のチェックテストで3つ以上に当てはまる場合は、起立性調節障害が疑われます。さっそく試してみましょう。

3つ以上に当てはまる場合は、起立性調節障害が疑われます

0710_2

□朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
□立ちくらみ、またはめまいを起こしやすい
□立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる
□入浴時や、いやなことを見聞きしたときに、気持ちが悪くなる
□少し動くと、動悸または息切れがする
□顔色が青白い
□食欲がない
□周期的に腹痛が起こる(とくにおへそ周辺が痛む)
□体がだるい、または疲れやすい
□頭痛がたびたび起こる
□乗りもの酔いしやすい

病気とわかれば、つらさは軽くなる

 

起立性調節障害は、体を活動モードに導く「交感神経」と、体を休息状態にする「副交感神経」がうまく切り替わらないために起こります。
起床時には、交感神経が優位にならないといけないのですが、スイッチがうまく入らず、血圧も体温も低いままなのです。めまいや立ちくらみが起きやすいのも、このためです。

とくに思春期は、身長が急激に伸びるなどして、神経の発達と体の発達にズレが生じやすい時期。その結果、起立性調節障害のさまざまな症状が現れます。

0710_6

最近では、この病気がメディアにとり上げられる機会も増え、認知度が高まっています。まずは小児科に行って、診てもらうことが先決です。

思春期のお子さんを多く診ている、慶応義塾大学病院小児科の関口先生によると、「朝起きられないのは、起立性調節障害の症状だと理解することが、治療の第一歩です。それだけで、親に責められたり、自分を責めたりすることがなくなり、状態が改善してくるお子さんも多いんです。
また、「水分や塩分を多めにとる」「急に立ち上がらない」など、血圧低下を防ぐ生活上の注意も有効です。必要なら、薬を使って血圧を上げることもできます。病気とうまくつき合う意識を、お子さんにも親御さんにももっていただくことが、何より大切です」。

2時間目、3時間目から登校したっていい

ママたちにできる最大のケアは、“朝起きられなくても、叱らない”こと。
起立性調節障害のお子さんたちは、多かれ少なかれ、朝起きられないことに悩んでいるといいます。
「どうして自分はみんなと同じにできないんだろう」「親にも迷惑をかけている」と思い悩むことで、うつなどの心理的症状を生じ、不登校になってしまうお子さんもいるそう。二次的な問題をまねいてしまう前に、「病気の症状なのだから、無理しなくていい」ことを、家族みんなで共有することが大切です。

1時間目に間に合うように登校できないなら、2時間目、3時間目からでもかまいません。午前中は動けないため、午後から学校に行くお子さんもいます。
小児科の先生に相談すれば、診断書を書いてもらえますし、学校の先生に説明してもらうこともできます。最近では、学校でもかなり認知されている病気なので、その子の状態に合った通学方法を考えみてください。

0710_3

関口先生いわく、
「自律神経のバランスが整い、朝起きられるようになるまでには、たいてい2〜3年かかります。女の子だと16歳、男の子だと17歳くらいがおおよそのめやす。そのころにはずいぶんとラクになっているはずです。ただ、その間に勉強が遅れ、進学に支障が出てもいけないので、『調子のいい時間に勉強して、遅れが出ないようにしようね』ということも診察時にお話ししています。つらい期間をどうやってやりすごし、今後の生活に影響を与えないようにするかを、一緒に考えてあげられるといいですね」。

《参考文献》
『小児科診療ガイドライン ―最新の治療指針― [第3版]』五十嵐 隆編(総合医学社)

取材協力
関口 進一郎
慶應義塾大学助教(医学部小児科学)

子どもの総合診療を専門とし、周産期・小児医療センターでは「生活空間から子どもを診るチーム」として外来を担当。“生活環境が子どもの健康に影響を与えていないか”“就学・進学などの変化が健康に影響していないか”など、幅広い視点から子どもの心身を理解し、診療に当たっている。

取材・文 川西雅子

こちらもチェック!
子どもの不調にご用心❶慢性便秘/まずは〝伸びた腸〟を戻してあげて!

あなたにオススメの記事

子どもの健康テーマ : 【生活習慣】その他の記事

生活習慣
もっと見る