小さい子どもほど注意の「ヒトメタニューモウイルス感染症」

「ヒトメタニューモウイルス感染症」はウイルス性の呼吸器感染症で、年間を通して発症しますが、特に36月頃に流行します。

 

飛沫感染と接触感染でうつり、5歳までに約75%10歳までにはほぼ100%が一度はかかるといわれています。

 

3~5日の潜伏期間の後に、鼻水や咳と発熱といった風邪の症状が起こります。熱は45日で下がりますが、鼻水が原因で中耳炎を併発したり、その後も咳が続いて肺炎や気管支炎を起こし、呼吸困難になる場合も。

 

1週間程度で症状は治まるものの、一度の感染では免疫がつかないため、何度も感染します。次第に免疫がついてくると症状は軽くなります。特効薬はないため、解熱剤や咳・鼻水を抑える薬などの対症療法で回復を待ちます。

 

おうちでは安静にして、水分補給や消化の良い食べ物を心がけることと、中耳炎の防止のために鼻水のケアもしっかり行いましょう。

 

ただし、咳がひどくなりゼイゼイしはじめたら急いで病院へ。免疫を獲得しきれていない低年齢のお子さんほど悪化しやすいため、しっかり様子をみてあげてください。

 

熱が下がり、元気で咳の症状がある程度おさまれば登園・登校をしても大丈夫です。医師の許可証は施設によっては必要な場合もあるので確認を。

 

いずれも予防接種のない感染症のため、日々の予防では手洗い・うがいを徹底することが何よりも大事です。十分な栄養と睡眠、規則正しい生活を心がけて、普段から免疫力を高めてウイルスに負けない体をつくることも心がけましょう。

 

また、お子さんがかかってしまった場合、保育園や学校で感染を拡大させないためにもしっかり治ってから登園・登校させましょう。

 

登園・登校の許可については、あくまで目安です。まだ体調が万全でないと感じれば、休ませて様子を見る判断も必要です。それぞれのご家庭が配慮して子どもの健康を守りたいものですね。

 

 

文/大浦綾子