スマホやゲームで注意したい「ヘッドホン難聴」とは?

最近はスマホやタブレット、携帯ゲームなどで音楽を聴いたり、動画やゲームを楽しむことが日常的になっているなかで、お子さんがヘッドホンやイヤホンを使うケースも出てくると思います。

 

長時間の電車移動など外出先で音を出せないときをはじめ、最近ではテレワークをしながら家庭保育をする関係で、どうしても使用頻度が増えているご家庭も少なくないのではないでしょうか。

 

そのときに気をつけたいのが、音の大きさ。ヘッドホンやイヤホンで長時間にわたり大音量で音を聞いていると、鼓膜などの内耳を傷つけてしまい、聞こえが悪くなる危険性があります。「ヘッドホン難聴」「イヤホン難聴」と呼ばれます。

 

ヘッドホン難聴が厄介なのは、症状が進んでいても気づきにくいことです。耳鳴りや耳がふさがったような症状が出ることもありますが、少しずつ耳へのダメージが積み重なり、将来10年後、20年後になってから影響が出てくるといわれています。

 

お子さんがヘッドホンやイヤホンを使用する際は、以下のことに注意しましょう。

 

適切な音量で聞く

装着時には、通常の声の大きさでの会話が聞き取れる音量よりも上げないようにしましょう。お子さんがヘッドホンを使う前に、一度音量をチェックすると安心ですね。使用中に勝手に音量を上げないように、伝えておくのも大事です。

 

長時間の使用は控える

使用時には、耳を休ませることを心がけましょう。WHO(世界保健機構)では、ヘッドホンやイヤホンの使用は「11時間以内」にとどめるよう推奨しています。また、体調が悪いときや睡眠不足のときは使用を控えるほうが良いでしょう。

 

中耳炎・外耳炎などの一時的な聞こえの悪さは回復しますが、一度失われた聴力は回復できないため、適切な使用法を守る予防がなにより重要です。

 

耳は声や音を聞くための重要な器官だからこそ、トラブルは早期発見を心がけたいもの。日頃からの予防や、お子さんの様子を観察して小さな異変に気づいてあげることが大事です。少しでも気になる様子があれば、気軽に耳鼻咽喉科で相談してくださいね。

 

 

 

文/大浦綾子