吐瀉物の正しい片づけで感染を防ぐ…目安は半径3m

 

胃腸炎の原因となるウイルスは、吐瀉物にももちろん含まれています。 パパやママ、きょうだいはもちろん、高齢者や、心臓病などの基礎疾患をもつ家族に感染しないよう、注意しなくてはなりません。 家庭内感染を防ぐための、吐瀉物の清掃のしかたも覚えておきましょう。


「長いゴム手袋などで、皮膚につかないように掃除するのは、基本中の基本です。でも、それだけでは不十分なんです。

吐瀉物の周囲には、目に見えないしぶきがちらばっていて、それが乾燥して風に舞ったり、手や足について感染してしまいます。

半径3mをめやすに広範に清掃・消毒してください」(金子先生)

 

まずはマスクやゴム手袋で接触感染を予防。掃除するときに首もとや服にもついてしまうので、使い捨てのエプロンも必要です。ゴミ袋の底部を切ったものを用意し、頭からかぶると、簡易エプロンとして使えます。 目に見える吐瀉物を片づけたら、雑巾と消毒薬で床を広範に消毒します。ただし塩素系の消毒薬は、フローリングに使うと色が抜けたり、消毒効果が十分に得られないことも。 日ごろから、自宅の床材に影響しない消毒薬を探しておくといいでしょう。 消毒が終わったら、マスクもゴム手袋も含め、ゴミ袋にすべてまとめて廃棄。しっかり密閉してから捨てます。着ていた洋服もすぐに脱ぎ、塩素系洗剤でつけおき洗いをします。ほかの家族の服にはふれないように注意を。

 

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 「これが家庭でできる最善の感染対策ですが…これらをすべておこなっても、子どもを抱き上げて、即感染ということもあります。

絶対的な方法はないことも、知っておいてください。

〝うつってしまっても仕方ない。そのときはすぐ病院に行こう〟という、おおらかな気持ちで対応することも大切です」(金子先生)

 

文:川西雅子