子どもに解熱剤が必要な目安は「38.5℃」以上

 

大人がかぜをひいて熱を出したときは、解熱剤や、解熱剤を含むかぜ薬を飲むのが一般的です。でも、それはつらい症状をラクにして、仕事などに支障が出ないようにするため。

かぜはウイルス感染症であり、有効な薬はありません。かぜ薬や解熱剤を飲んでも、かぜそのものは治らないのです。子どもの場合も、それは同じ。

発熱はそもそも、自然な免疫反応で、体がウイルスとたたかっているサインです。その意味では、解熱剤で無理に下げる必要はありません。ただし熱が何日も続くことで、体が疲れてしまうという悪影響もあるのだそうです。

「かぜによる熱なら、たしかに解熱剤は必要ありません。水分をしっかりとらせて、体を休ませるのが基本です。

でも数日以上の発熱が続くと、体力が消耗してしまい、水分がとれずに脱水症に至ることもあるんです。

そのため生後6か月以上のお子さんで、熱が38.5℃以上あって苦しそうにしているとき、翌日になっても熱が下がらないときは、解熱剤を一時的に使って熱を下げてあげるのもひとつの方法です」(金子先生)

 

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解熱剤を使うのは〝治す〟ためではなく、体を休ませ、病気とたたかえるコンディションにもっていくため。このことを念頭に置いて、解熱剤を上手に使うのがポイントです。

また、熱以外の症状があるときは、ただのかぜではない可能性もあります。解熱剤で安易に下げず、小児科医に診てもらうようにしてください。