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腕を引っぱったら〝肘が外れた〟子どもの「肘内障」正しい知識と対処法

子どもの健康

2019.11.26

iStock.com/Hakase_

子どもは身体の作りが未熟なため、些細なきっかけでケガをすることも少なくありません。大人がちょっと力を入れて引っ張ったとき、俗に「腕が抜ける」「肘が外れる」と表現される「肘内障(ちゅうないしょう)」を起こすことも。子どもによく見られるケガのひとつである「肘内障」を解説します。

 

「肘内障」が起こる仕組み


 

「肘内障」は、5歳以下の子どもによくみられるケガのひとつ。突然肘のあたりに痛みが走り、腕を曲げたり上げたりすることができなくなります。

肘関節を構成する前腕の「橈骨(とうこつ)と呼ばれる骨の先端部分が、靭帯から外れかかることで起こるケガです。

 

出典:日本整形外科学会

子どもの靭帯は薄くて弱く橈骨自体も未熟で細いため、ちょっとした弾みがかかると外れやすいのです。

一度発症すると靭帯が緩みやすくなるため、発症を繰り返すことも少なくありません。

大人は靭帯や骨が成長し、橈骨の先端が靭帯によって強固に固定されるようになるため、発症することはまれとされています。

 

「肘内障」のきっかけと症状

 

iStock.com/kokouu

 

●肘内障のきっかけ

肘内障は転倒などをきっかけに生じることもありますが、多くは肘を伸ばした状態で、腕を引っ張られることによって起きます。

先にも説明した通り、子どもの肘関節の靭帯は緩みやすいため、引っ張られた弾みに橈骨が外れかけてしまうのです。

ぐずった子どもを前に引っ張ったり、転びそうになったとき腕を引っ張り上げるなど、とっさの場面で発症することも少なくありません。

また、腕を引っ張り上げての〝ブランコ〟など、外遊びで発症することも多く、思わぬ力が入ってしまうことがあるため大人も注意が必要です。

 

●肘内障の症状

肘内障は、橈骨が外れかかった瞬間から肘関節に強い痛みを生じます。

このため子どもは、きっかけが起きた直後から、肘や前腕に痛みを訴えながら激しく泣くことが多いのです。

また、肘をやや曲げた状態で下げたまま、動かすことができなくなるのも特徴のひとつです。

 

「肘内障」の対処と治療


 

iStock.com/badmanproduction

痛みを訴える状況や肘の状態などから、肘内障が疑われるときは、できるだけ早く病院に行きましょう。

「肘内障」と診断されると、医師は橈骨を元の位置に戻す「整復術」を行って治療します。一般的な脱臼のように長期間の固定や手術の必要はなく、肘関節が元に戻ると痛みは治まります。

ネット上では、肘内障を発症した際に行う整復方法の動画などもありますが、素人がそれらを参考に自己判断で行うのは大変危険です。

なぜなら「肘内障」の診断には、レントゲンなどで骨の状態や位置をきちんと確認する必要があるからです。

骨折など別のケガを発症している場合に整復術をやると、骨や靭帯などに大きなダメージを与えることも少なくありません。

また治療が遅れると、緩んだ靭帯が固くなって整復しにくくなることもあります。肘内障が疑われるときは、迅速に医師の診察を受け、適切な処置を受けることが大切です。

 

文:成田亜希子

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