2019.02.19
「冷えは万病のもと」と言いますが、女性特有の不調は「冷え」が深く関係しています。
「お尻を温めれば、その症状をほぼ緩和できる」という、元ミス・コリアの韓方医、キム・ソヒョン先生にお話をうかがいました。
キム・ソヒョン
1969年韓国、ソウル生まれ。キム・ソヒョン韓方クリニック院長。元ミス・コリアの韓医学博士(本草学専攻)。キム・ソヒョン本草コスメティック代表。本草生薬研究所所長。韓国MBC生放送専門家パネル。ミス・コリア審査委員。3代にわたり医師を家業とし、韓国でもっともよく知られる韓方医のひとり。「セレブリティより有名なドクター」と言われ、50歳とは思えないルックスと知的なイメージで、各方面で大活躍している。
不調をもたらす「冷え負債」にご用心
「西洋人に比べ、東洋人はもともと冷えやすく、陰性体質の人が多いのです。特に男性よりも女性の方が冷え性ですね」と、キム先生。
手足が冷えているから冷え症ということではなく、それはあくまでも氷山の一角。冷えは体の奥深くに潜んでさまざまな不調を引き起こし、自分ではなかなか気づきにくいものなのです。
あなたの「冷え負債度」チェック!
まずは次のチャートで、あなたの「冷え負債度」をチェックしましょう。
【冷え負債度チェック】
□特に冷たい部位がある(腹部、手、足など)
□冬寒く、夏でも冷房に弱い
□風邪、呼吸器疾患によくかかる
□疲れやすく、あちこち痛む
□腸の機能が悪く下痢、便秘がある
□女性の場合、生理痛がある
□おなかにガスがたまり、よく胃もたれする
□アレルギー疾患がある
□記憶力がだんだん衰えてきている
□頭が重く集中できない
□むくみやすい
□少しだけ食べても太りやすい。
4つ以上チェックがついた人は「冷え負債」を抱えている可能性が大。「おしり温活」を始めることをおすすめします!
「おしり温活」って何?
韓国に行った方ならご存知かもしれませんが、会陰周辺をよもぎの葉を燻して座るという「よもぎ座燻療法」という伝統の温熱療法があります。「おしり温活法」は、この療法と同じ効果が期待できます。
「会陰は私たち人間にとって、いわば主電源。そこを温めることで、体全体の循環を促すことができます」。
会陰を温める=「おしりスイッチを押す」ことで体全体を整え、健康と美を保つ方法が「おしり温活」なのです。
どこを温めればいいの?
「会陰は文字どおり、体の中のすべての〝陰気が会う〟場所であり、集まる場所。人間にとって大切なポイントなのです」
でも会陰がどこにあるのか、正しい場所を把握していますか? まずは下記の図で確認してみましょう!
▲膣と肛門の間(2〜3㎝)の真ん中が「会陰」
実際には、床に鏡を置いてまたぎ、映して確認しましょう。隠れた場所なので普段はあまり意識することはありませんが、不調のときは触ると痛みを感じたり、ハリがないという症状が出ることもあるそうですよ!
具体的にはどうする?
さっそくキム先生に、具体的な「おしり温活」を教えてもらいました。
「私が考えついたのは、お尻周辺をカイロで温める方法です。市販のカイロではなく、玄米カイロを手作りしています」。
キム先生オススメの「玄米カイロ」の作り方はコチラ!
キム先生の「玄米カイロ」の作り方
準備するもの
●玄米…100〜150g(できれば無農薬がおすすめ)
●靴下…半足(洗濯した清潔なものであれば使用済みでも)
●フライパン、ラップ、霧吹き、針と糸(なくても可)
作り方
❶玄米をフライパンで焦げない程度に軽く煎り、完全に乾燥させる。
❷靴下に煎った玄米を入れる。
❸靴下の口を縫って閉じる(長めの靴下の場合は先を縛るだけでもよい)。
❹③に霧吹きで2〜3回水を吹きかけ、ラップに包んで電子レンジで加熱する。
※500Wの電子レンジで1分~1分半程度が目安です。
玄米を靴下に詰め、使うときは電子レンジで温めるだけの、超簡単手作りカイロ。使った後は室温に数時間おけば玄米は自然乾燥し、何回も繰り返し使うことができます。
「玄米カイロを電子レンジで加熱したら、やけどしない温度かを確かめて椅子の上に置いてください。あとは、その上に10分座るだけです」
このとき大切なのは、おしりスイッチ(会陰)に当たるように、位置を確かめながらはさむように座ること。これなら職場でもできそうですね!
最後に、日本のママたちへキム先生からのメッセージです
「女性の美と健康には〝温活〟が大切です。お肌や髪のために高い美容液やシャンプーを買わなくても、おしりスイッチを押せば、きっと体の中から輝きを放ちます。今日からぜひ、はじめてみてくださいね!」
もっと知りたい方はこちら↓
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ライター:川越晃子
たべものライター&編集。出版社勤務後、フリーランスへ。食を中心とした企画・構成をはじめ、レシピ作成やスタイリングを含めたトータルコーディネートなどを手掛けている。“食べるものによって、人の心もカラダも育まれる”という考えをモットーに、食べ物の裏側にある環境や農業、栄養学にも関心が高い。著書に、日本の食文化をまとめた『おにぎり』グラフィック社刊などがある。現在、フードスタイリスト、料理カメラマンとの女性3人のフードユニット「Soup Caravan」を結成中。http://www.soup-c.com/