2018.09.17
ワーキングママは、働くことや家事・子育てを頑張りながら過ごしていることでしょう。何事にも精力的に取り組む女性は、とても素敵ですよね。しかし、効率と正確さが求められる現代社会ですが、頑張りすぎることは必ずしも良いことだとは言えません。ときには自分のキャパシティを超えてしまい、心身ともに疲れ果ててしまうことも多いものです。ここでは、身体症状が主に現れる仮面うつ病の特徴とチェック法について、ご紹介します。
仮面うつ病とは…?
うつ病にもさまざまな種類がある
仮面うつ病の話をする前に、まずは基本的なうつ病について説明しましょう。うつ病とは、さまざまなストレスなどが原因で、脳内の神経伝達物質がバランスよく分泌されなくなることから、気分の落ち込みや不眠、やる気のなさなどが生じる疾患だといわれています。うつ病になると、上記のような症状が現れ、集中力やパフォーマンスが低下してしまうのです。
うつ病は、生涯で約15人に1人の割合で起こる病気のため、決してめずらしいものではありません。特に、仕事によるストレスでうつ病になる人も多く、2016年度より、一定数の社員を抱える企業は、社員にストレスチェックを実施する義務も定められました。
現在は、社会全体で、うつ病についての予防や対策、病気への理解が進められていますので、ぜひとも気を付けたい問題です。ところが、うつ病にも種類があり、精神的な症状があまり現れないために、自覚しづらいうつ病もあります。そのひとつに、「仮面うつ病」があります。もしものときに慌てないためにも、この仮面うつ病の特徴について、知っておきましょう。
頭痛や肩こり、めまいなどの身体的症状が生じる
仮面うつ病のややこしいところは、基本的なうつ病のように不安やゆううつ感などの精神的症状があまり現れないことです。しかし、頭痛や肩こりがひどかったり、めまいが生じたりという症状が全面に出ます。
仕事や家事で忙しいワーキングママは、このような症状におそわれても、「疲れているのかな」「最近、仕事が忙しかったせいだろう」とあまり気に留めず、自己完結してしまうことが多いのです。
更年期に似た症状が出る
仮面うつ病がすぐにわかりにくいのは、更年期の症状とも非常に似ていることが挙げられます。特に、体の火照りやのぼせ、冷えなどが現れることから、更年期の年齢に差し掛かっている方は、「更年期のせいかも。だけど、これはしょうがないから」と重要視しないこともあるでしょう。
更年期は他の病気と勘違いしやすいこともあるので、すぐに見分けることは難しいかもしれませんね。
不安を感じたあなたに・・・
仮面うつ病のセルフチェック
仮面うつ病の話を聞いて、「もしかしたら、私にも心あたりがある」と感じたワーキングママもいたかもしれません。そう思ったあなたは、ぜひ下記の項目に当てはまるかをセルフチェックしてみてください。病気は、早期発見がとても大切です。
まずは、自覚をし、適切な治療やサポートを受けることで、自分自身も楽になる可能性が高いですよ。
|身体的症状が2週間以上続いているか
仮面うつ病の特徴は、身体的につらい症状が出ているかどうかということです。症状にはさまざまなものがありますが、頭痛や肩こりの他に、便秘や下痢、食欲がない、動悸やめまいなどがあります。身体的に、「つらい」と感じる症状があるのなら、注意をしていた方が良いかもしれません。
また、これらの症状は疲れや忙しさから現れることもありますが、その場合は短期間で治まるといわれています。しかし、症状が2週間以上続くようなら、仮面うつ病をうたがってみることも大切です。
|内科などを受診するが異常がない
身体がきつい状態が続くと、何か異常があるのかもしれないと思い、内科を受診することがありますよね。ところが、ひととおりの検査を受けても、どこにも異常が見当たらないケースも多々存在します。安心して帰宅するのは良いのですが、それにもかかわらず症状が治まらないこともめずらしくないのです。
そのため、内科だけにとどまらず、胃腸科や外科などをまわってさまざまな検査をしても、異常がひとつも見つからないということも少なくありません。本人には確かにつらい症状が消えないのに、異常が見当たらないという場合は仮面うつ病の確率が高いと言えそうです。その場合は、心療内科や精神科を受診してみましょう。
|身体症状とともに気持ちの落ち込みを感じることがある
仮面うつ病は、身体症状が主になるとお伝えしましたが、ときには気持ちの落ち込みなどの精神的症状を感じることがあります。ただ、身体的症状の方がひどいため、つい見過ごしてしまうこともあるでしょう。そのため、小さなゆううつ感や不安感が現れたことがあるかという点にも、気を付けてみてください。
取材・文/久木田みすづ