2018.08.26
「赤ちゃんの頬っぺた」や「ぬいぐるみ」など、柔らかいものを触っていると心が落ち着きますよね。近ごろの研究によると、柔らかいアイテムには人間のコミュニケーションを活発化させる力もあるようです。
柔らかいアイテムを触っていると会話が増える?
7月放送の『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)では、63歳の誕生日を迎えた明石家さんまさんのお祝いが行われました。
マツコ・デラックスさんや吉岡里帆さん、関ジャニ∞の横山裕さんなど、さんまさんへプレゼントを渡すために豪華なゲストが続々と集結。中でも、「スクイーズ」と呼ばれる“癒しアイテム”をプレゼントした中尾明慶さんのセンスに注目が集まっています。
「スクイーズ」とは「発砲ウレタン」という柔らか素材で作られた商品で、プニプニした食感と手のひらサイズの大きさが特徴的。多様なデザインが揃っており、「パン」や「ドーナツ」の形をした「スクイーズ」の中には本物としか思えないほどリアルなタイプも。
中尾さんは、「スクイーズ」にしては大き目なサイズの商品「牛乳ひたしパン」をプレゼントしていました。柔らかくて甘い香りが漂うプレゼントに、さんまさんは大喜び。しかし作りものだと気づかなかったようで、「もうちょっとで食べるとこだった!」と焦る姿も見せています。
心理評論家の植木理恵先生は、「スクイーズ」の効能について解説してくれました。体を柔らかいものに預けると気持ちが楽になるだけでなく、「人と会話がしたい」という欲求が高まっていきます。そのため話し下手の人でも、柔らかいアイテムを握って話すとスムーズな会話が可能に。植木先生のカウンセリング実験によると「柔らかい椅子」に座っている人は、「硬い椅子」に座っている人より発話量が3.2倍も増えるそう。
コミュニケーションが下手な人は、「スクイーズ」効能を上手に取り入れることで、苦手を克服できるかもしれません。
また会話ではなく「勉強」や「考え事」をしたい場合は、硬いものに触れると集中力が高まるそう。様々な素材の椅子を揃えておけば、シチュエーションに応じた使い分けが可能ですね。
正しい「椅子の座り方」をチェック
「柔らかい椅子」に秘められた効果は多くの視聴者の興味を引きつけ、ネット上には「確かにソファに座っている時の方が、おしゃべりも弾む気がする…」「これからは座る椅子の柔らかさを意識しておこうかな」といった声が見られました。しかし椅子に座る際は柔らかさだけでなく、「正しい座り方」も意識しておきましょう。
床座りに適した「あぐらイス」などユニークな椅子を販売している「アーユルチェアー」公式サイトでは、「日本人の座り方」を分析していました。どうやら日本人の“重心”は、椅子に座るのにあまり適していないようす。
ルーツが狩猟民族にある欧米人は、体の後ろ側にある筋肉が発達しています。しかし前かがみで行う作業の多い農耕民族がルーツの日本人は、前側の筋肉が肥大化。重心が前に倒れ、バランスが崩れた状態で椅子に座ってしまう傾向にあるのです。
重心が前方に集中すると椅子に浅く腰かけてしまいますが、お尻を背もたれに当てるくらい深く腰かけるのがポイント。腰を背もたれから浮かさず、ピッタリとくっつけましょう。正しい姿勢で柔らかい椅子に腰かければ、コミュニケーション力がさらにアップするかもしれませんよ。
取材・文/牧野聡子