2018.06.12
2020.12.02
「夜は熟睡して疲れをとって、朝はシャキッと目覚める」のが理想。でも、実際は朝がだるかったり、夜はなかなか寝つけなかったり・・・。梅雨時期のいまは、気圧の変化も伴い、特に頭がボーっとしがち。
実は、私たちの体に備わる体内時計は24時間より数十分多い設定。つねに軽い時差ぼけの状態なんです。そのズレを整えてあげれば、心身のストレスがかなり軽減できます。
ポイントは、体のアクセル役の交感神経と、ブレーキ役の副交感神経からなる、〝自律神経〟を意識した習慣。言葉で聞くと難しいかもしれませんが、毎日している行動の場所やタイミングを少し変えてみるだけでいいんです。早ければ1週間以内に効果を実感できますよ。
目覚めスッキリ! 仕事の効率も上がる朝の1分習慣
交感神経の働きを活性化するのは、朝の太陽の光や、不安をやわらげ、心を安定させる神経伝達物質セロトニンの分泌を促す食べ物の摂取、自分にここちよい音楽など。五感から脳を目覚めさせて。
①ふとんの中で体の向きを左右にゴロゴロ変える
赤ちゃんが眠るとき手足から熱を放出するように、人間は体温が下がると眠くなる生き物。つまり、手足や体幹を動かして体温を上げると覚醒効果がある。
②目覚めたらすぐお気に入りの音楽をかける
大脳が発達した人間の脳にとって、目覚めたてにいいのが聴覚による覚醒刺激。テレビやラジオなど、「ここちよい」と感じる音なら何でもOK。
③着がえや朝食を光のあたる窓際でする
朝の太陽の光は不安をやわらげるセロトニンの働きを活発にしたり、メラトニンの分泌を促し、体内時計を正常に
する。窓際でしっかり浴びよう。
④洗顔は「冷水」でしめる
温度変化により交感神経が刺激され、気分もシャキッと。ぬるま湯で洗顔したあとに行えば、温度変化の刺激が高
まり、肌もきれいになる。
⑤レモン水を飲む
柑橘系のくだものには脳細胞の興奮をおさえる物質・ギャバの働きを弱め、脳を活性化する働きが。特にレモンはその力が強く、体内時計を整える効果も!
⑥鏡に向かって笑顔を作る
笑顔には楽しさやここちよさの神経伝達物質ドーパミンを活性化する効果あり。気の進まない予定がある朝でも、作り笑顔を鏡で見れば明るくなれる。
⑦朝食にバナナシリアル、豆類をとり入れる
セロトニンを作るアミノ酸といわれるトリプトファンは、シリアル、卵、豆類、バナナなどに豊富に含まれる。毎日の朝食にとり入れてみて。
⑧通勤電車で窓の近くをキープする
3で説明した「朝の太陽の光」の効果を考えると、電車でも光が入る窓際にポジショニングを。好きな音楽やラジオを聞くのもストレスを軽減するのに有効。
⑨笑顔であいさつと少しの雑談をする
あいさつや雑談には、自分の緊張をやわらげ、相手の警戒心を解く働きが。逆にあいさつがないと猜疑心が強まったり、無用の敵意を与えることも。
⑩デスクに置いたグリーンに水をやる
自然の緑は視界に入るだけでストレスを軽減し、観葉植物のある部屋ではパフォーマンスが上がるという実験結果も。水やりついでに毎日眺めて。
眠りの質を上げ、疲れを残さない夜の1分習慣
寝つきをよくして、睡眠の質を上げるには、副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせることが重要。睡眠ホルモン・メラトニンが出て、熟睡→翌朝よい目覚めの好循環に。
①職場を出たら1.5倍速で歩く
適度な肉体疲労は質のよい睡眠をもたらす。特に体温が上がる夕方~夜の運動は効果が高いので、帰宅時は階段を使い、少し脈拍が上がる早歩きを。
②部屋の照明は1段暗めに設定する
夜の明るすぎる照明は眠りのホルモン・メラトニンの分泌をおさえ、寝つきが悪くなる。自然界と近い明るさを意識し、暗めになるよう照度を落とそう。
③お風呂はぬるめの39度で肩までつかる
38~39度のお湯に肩までゆっくりとつかることで、副交感神経が活性化し、心身の疲れがほぐれる。リラックス効果のある入浴剤を入れても。
④翌朝必要なものを準備しておく
忙しい朝に探しものが見つからないと、イライラするもの。必要なものは夜のうちに準備しておけば安心でき、朝のストレスを減らせる。
⑤ネガティブな感情を紙に書いて捨てる
記憶の研究では、幸せな記憶は忘れがちで、いやな記憶はずっと残る傾向に。ネガティブな感情は紙に書き出して捨て、気持ちを頭から外に放出して。
⑥スマホは「終了時間」を決めてオフ
明るすぎる照明やパソコンやスマホのブルーライトはメラトニンの分泌をおさえ、体内時計が狂う原因に。終了時
刻を決め、寝る直前は見ないこと。
⑦ふとんに入る前に硬水を1杯飲む
カルシウムやマグネシウムには不安をやわらげる効果があるといわれる。含有量が多い硬水を、就寝前にコップ1杯程度飲んでリラックスしよう。
⑧今日のよかったこと、できたことを数える
「仕事が進んだ」「おもしろい情報を聞いた」などいいことを数えてリラックス。小さなことでも成果を自分で再確認すると、精神的な健康を維持しやすい。
⑨ふとんの中で深呼吸する
深呼吸は不安をやわらげる神経伝達物質セロトニンや副交感神経の働きを促進。へそ下約9㎝の丹田を意識し、3秒吸う→2秒止める→15秒吐く×3回。
⑩「いい夢」を具体的にイメージして眠る
ベッドに入る前に「温泉に入る」「ケーキを食べる」など現実にありうる夢の内容をイメージトレーニング。悪夢の不安や恐怖を解消できる。
出典:『CHANTO』2018年8月号より