インタビューに答える鈴木啓太さん

まずは自分の体を知ることから


── 便は自分からのお便り…!確かに、赤ちゃんのうんちはきちんと見るのに、いつしか見なくなりますね。身体からのメッセージをきちんと受け止めていなかったかもしれません。自分の健康状態を知るためにも腸ってやっぱり大事なんですね。

 

鈴木さん:私たちは、食べ物を口から入れて肛門から出しますよね。その間、胃などで消化した食べ物の栄養を吸収するのが腸の役割です。 腸に住む様々な種類の腸内細菌がこの栄養を食べて活性化し、体内に吸収します。 無菌のマウスと普通の腸内細菌を持っているマウスを比較した実験では、身体の大きさ、繁殖力などで普通の腸内細菌を持っているマウスが上回っていますし、無菌のマウスは落ち着きがなく、よくケンカをするという結果も出ているんです。

 

── 心身ともに腸内細菌が影響を及ぼしている可能性があるんですね。普段の食生活で、私たちが心がけるとしたら、どんな点が挙げられますか?

 

鈴木さん:やっぱり食事だと思います。でも、食べている物の内容やタイミングに気を配っている人がどれだけいるのかな。特に外食が多いと、本当の意味で何を食べているのかは把握していないでしょう。 こういう食事が良い、この栄養素が大事というベースはありますが、腸の環境は人それぞれなので、本当に何が合うかはわかりません。 だから、まずは便を確認して自分の状態を確認しながら、バランスの取れた食事を心がける。 腸内細菌も多様性が重要と言われているので、いろんな種類の素材を取り入れることですかね。