無意識な自己防衛…職場で頻発するイエスバットの心理ゲームとは?

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他人との会話の中で自分の意見を言ったとき、一度は賛成してくれたにも関わらず、すぐに否定されてモヤモヤ感が残ったという経験はありませんか?

これは『イエスバットのゲーム』という心理ゲームのひとつで、気づかないうちに他人とのやり取りの中で行われているものです。今回は、職場でも行われることが多い、イエスバットゲームの特徴と対処法について、ご紹介します。

 

イエスバットのゲームとは?


カナダの精神科医であるエリック・バーン氏は『交流分析』という研究を発表し、「人とのコミュニケーションに中には、さまざまな種類の“ゲーム”が行われている」と提唱しました。ここで言う“ゲーム”とは、主に他人との会話のやり取りの中で起こるもので、『イエスバットのゲーム』もそのひとつです。

 

イエスバットのゲームは、その名の通り「Yes But」という意味で、相手の意見や問いかけに「そうですね…(Yes)」と答えていながら、直後に「でも…(But)」と否定の言葉を続けることで、会話がなかなか終わらない状態になってしまうものを言います。

 

【職場でのイエスバットのゲーム例】

A「今日のランチは外に食べに行かない?」

B「いいね、どこに行く?」

A「そうだなぁ、私はどこでもいいよ」

B「それなら、新しくオープンしたオムライス屋さんに行かない?」

A「いいね。でも、オムライスはちょっと苦手で…」

B「じゃあ、パスタにする?すぐ近くにあるし」

A「いいアイディアだよね。でも、パスタだとすぐにお腹が空いちゃうから…」

 

ランチに誘われた側は、お店の提案をし、誘った側は、一度は「いいね」と同意していますが、結局は「でも…」と否定していますね。誘われた側は、会話がなかなか終わらないことに疲労感を感じてしまいますし、短気な人なら、イライラして「勝手にして!」と会話をやめてしまうかもしれません。

 

このように、一度は自分の意見に同意してくれたあとで、意見をひっくり返すことは、相手にマイナスな印象を与えてしまうことになります。しかし、イエスバットゲームを仕掛けた側は、ほとんど無意識で行なっているため、仕掛けられた側は、最後にモヤモヤとした嫌な気持ちが残ってしまうのです。

 

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久木田みすづ

精神保健福祉士・社会福祉士。福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。