動物に変わってロボットが癒すセラピー


アニマルセラピーと同様の効果を手軽に実現するために、動物の代わりにロボットを活用した「ロボットセラピー」の研究も進んでいます。産業技術総合研究所が開発したセラピー用ロボット「パロ」は、アザラシのぬいぐるみのような姿をしたコミュニケーションロボット。アレルギーや衛生面の問題で動物を飼えない人々や施設向けに開発されました。

 

パロは内蔵されているセンサーや人工知能の働きによって、人間の呼びかけに答えたり抱きかかえると喜んだりといった反応を見せます。自分の名前を覚えたり、持ち主の好みに合わせた行動を学習することも可能。長い時間を共にするほど、「個性」を身につけていくロボットです。

 

パロによるロボットセラピーの効果は、国内だけでなくスウェーデン、イタリア、フランスなどの外国でも認められています。最近ではパロ以外のセラピー用ロボットも登場し、ロボットたちの活躍の場はさらに広がっている様子。病気だけでなく日常のストレスも癒してくれるので、気になる人はチェックしてみては?

取材・文/牧野聡子