もし、給食が原因で「学校に行きたくない」と子どもが言ったら

「学校に行きたくない」と言い出す、夜寝られずに泣いているなど、子どもの様子が明らかにおかしい場合は早めに相談する必要があります。

 

まずは連絡帳などで現状を説明し、給食の時間はどのような様子か聞いてみましょう。 可能であれば、同級生のお母さんや、以前にその先生が担任だった子のお母さんに話を聞けるようなら聞いてみるといいでしょう。

 

文部科学省では、「学校給食摂取基準」の中で、給食の望ましい栄養量を定め各都道府県の教育委員会に通知していますが、同時に「適用に当たっては個々の実態などに十分配慮し、弾力的に運用する」としており、市町村や学校単位で、強制的に完食させる方針をとっている学校は基本的には存在しないはず。  担任の先生が、子どもが苦しんでいることに気付かず、良かれと思って食べさせているのであれば、量を減らしたり、無理強いはしないようにお願いすれば改善される可能性があります。

 

それでも状況が変わらない場合は、同じ状況の保護者数人でもう一度お願いしてみたり、スクールカウンセラーや学年主任の先生に相談したりという方法もあります。

 

いずれも「クレーム」「苦情」という姿勢ではなく、子どもがイキイキと毎日学び、バランスよく給食を食べて過ごせるために一番良い方法を共に考えたい、という姿勢で臨むことがポイントですね。

 

中学・高校でも要注意!「完食指導」がトラウマになるおそれも

なお、小学校では給食に配慮があった場合でも、中学校や高校で体育会系の部活に入った場合、特に男の子はまだ注意が必要です。 一部の体育会系の部活では、「体を作るため」という理由で、適量を超えてたくさん食べることを強要する顧問やコーチがまれに存在します。

 

「日本会食恐怖症克服支援協会」の代表・山口健太氏も、もともとは高校の野球部で白米を一度に2合や3合食べることを強制されたために実際に吐いてしまったことがあり、それが原因で「会食恐怖症」を発症したそうです。

 

中学生・高校生でも、子どもがいつもと違う様子の時は早めに状況を共有しておく方が良いですね。

 

まとめ


昔の話と思われがちな、行き過ぎた完食指導は、ニュースで取り上げられたことで少しずつ減っていくことが期待されますが、まだまだ学校や担任の先生によっては起こりうるもの。

 

友だちと一緒にバランスの良い栄養がとれる給食は、本来とても素晴らしいもの。苦痛な時間ではなく、楽しみにして学校へ通えるようになってほしいですね。

 

文/高谷みえこ

参考:東京新聞電子版(有料)/2018年11月19日夕刊 https://digital.tokyo-np.jp/

日テレNEWS24“給食を無理やり完食”相談が増加…何が? http://www.news24.jp/articles/2018/11/23/07409956.html

弁護士ドットコム「学校給食の「完食指導」は体罰か? 会食恐怖症につながるケースも」 https://www.bengo4.com/other/n_8880/