2018.11.11

旅育で子どもの心と脳を育む準備、お済みですか!?

過ごしやすい気候に、秋晴れの澄んだ空…秋は家族旅行の予定も立てやすい季節です。でも、小さな子ども連れだと移動中の電車で泣き出したり、滞在先でできることが限られたりするので、旅に出るのをつい躊躇してしまいませんか?

そこで今回は、旅行ジャーナリスト・村田和子さんに「旅育」についてお話を伺いました。村田さんは、旅を通じて生きる力を育む「旅育」のパイオニア的存在であり、1児の母として子育てをしながらお仕事をされている先輩ママでもあります。近年では、村田式「旅育メソッド」を提唱し、書籍や講演でその効果を広めています。この話を読めば、きっと親子旅に出かけたくなりますよ。

 

まず旅育とは?


そもそも「旅育」とは、旅における非日常体験を通して好奇心や自主性を育むこと。「息子が生後4ヶ月から9歳になるまでに、親子で47都道府県を訪れました。母として、旅の専門家として見守る中で、親のちょっとした心がけで旅は子どもたちの人生にプラスに働くと実感しました」と村田さん。親の姿勢次第で、とてもいい教育の機会にできると言います。今回は「旅育メソッド」の効果や、計画する際のコツを教えていただきました。

夕暮れの砂浜で遊ぶ子ども

▲「家族で見た美しい景色は、一生忘れられない思い出になります」(村田さん)

 

旅育に出かけるべき、3つの理由


「親も子も忙しい時代です。家族の絆を育むのに、旅は大いに役立ちます」と村田さん。その理由は、大きく分けて3つあると言います。 

 

1.子どもたちの世界は、ちっともグローバルではないから

 「核家族化が進み、共働きが増え、近所付き合いも減る一方の昨今。社会と子どもとの接点は想像以上に希薄です。グローバル、どころか周りの大人に子どもが触れ合う時間はなかなかありません」と村田さん。私自身も0歳の赤ちゃんを育てていますが、子どもが小さければ小さいほど、社会と接点を持つためには、まず親が外の世界へ連れ出すことが初めの一歩となるのだなと実感しています。

 

2.いつの時代も「百聞は一見にしかず」は大事だから

 「鮮明な写真が溢れる時代になりましたが、寺院の壮大さや波の迫力などは五感をフルに使って感じなければ醍醐味はわかりませんよね」と村田さん。先日、著者の娘も水族館デビューしました。しかし、あれだけ見せたかったイルカショーに号泣…。ちょっと切ない思いもありましたが、豪快なジャンプや水しぶきに怖がることも、いい体験だったと思います。赤ちゃんであろうと、「百聞は一見にしかず」ですね!

 

3.楽しかった旅の思い出は、今後の親子関係に役立つから

「子育ては長丁場。上手にストレスを解消しながら、パパママが元気でいることが大切です。美しい大自然の景色に感動したり、時にはトラブルをみんなで乗り越えたり。親子の距離もグッと近くなります」と村田さん。まだまだ”赤ちゃん”であるうちの娘も、いずれは反抗期を迎えます。そんな日がきても、旅の思い出話ができれば親子で共通の話題を持てそうだねと、夫とだいぶ先の未来を想像してみました。

 

パパ・ママも旅でパワーチャージできれば、帰ってきてからも笑顔で子どもと過ごすことができそう。「どこか行かなきゃ!」と張り切っては空回りしていた旅行計画…進めたくなってきました!

村田和子と星野佳路の対談シーン

▲ご自身の著書「家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK」出版にあたり、星野リゾート代表 星野佳路さんと対談された村田さん。「家族だから永遠にいけるのではありません。家族旅行ができる期間は限られています」と、星野さん。星野リゾートでも、子ども連れの旅行で楽しむ”家族の時間”を応援しています。

 

旅育メソッド5つを覚えよう


さっそく親子で「旅育」に出かけたくなったママのために、そのコツを伺いましょう。「『旅育』で一番大切なのは親子のコミュニケーション。親が意識しているかどうかで、旅における子どもの”学び”が大きく変わるので、親が心がけたい心得=『旅育メソッド』として5つご紹介します」と村田さん。

 

1.旅の計画&準備は子どもと一緒にしよう

旅の計画は「正解」があるわけでもないので、考える力をフルに使うことになります。また、親に連れていかれるより、自分も計画に関わったほうがモチベーションが上がります。試行錯誤して計画を立て、自ら追体験して得たことは、将来必ず子どもたちの力になります。

ちなみに、わが家では、まだ子どもが0歳ですが、お出かけの支度を一緒にするようになりました。「今日は○○公園の砂場へ行こうね!」「今日は○○町のキッズルームへ行くよ」と声をかけてから出かけると、周りをキョロキョロ、手足をバタバタ動かして、いつもよりもお出かけを喜んでくれるようになりました。

 

2.目標を決め、褒めて成功体験を増やそう

子どもの「自己肯定力」を伸ばしたいと思うママは多いはず。旅は時間と場所が区切られるため、小さな目標の設定・達成がしやすく、褒めるタイミングがたくさんあります。具体的にできたことを褒めて成功体験を積むことで、自己肯定力を伸ばしてあげられます。

村田さんのご著書では、脳科学者の茂木先生のアドバイスも掲載されていますが、「旅は不確実性を楽しむゲーム」という言葉が心に残ります。アクシデントが起これば、子どもたちに対処法を教えてあげられるチャンス! トラブルも楽しんで乗り越えられる、たくましさまで育ててあげられそうです。

 

3.旅先ではそれぞれの時間も確保しよう

最近では子どもだけで参加できる体験プログラムや短時間の託児保育などを、地域や宿が主催しています。親子で一緒に感動することもいい体験ですが、パパママから離れて過ごせた体験もまた非日常です。環境が整えば、時にはママの一人の時間も楽しんでみては。

「未知の経験をし、感じたことを伝えたいとがんばる子どもの姿はいまでも鮮明に覚えています」と村田さん。家族それぞれで過ごした後は、情報交換も楽しいひと時に。わが家は赤ちゃんと一緒の日帰り旅でも、パパと赤ちゃんは近隣の散策へ、私は一人でカフェに行くなど、少しの時間離れて過ごしてみるように。すると、帰りの車中の会話も弾むようになり、“家に着くまでが旅”と思える1日になりました。

 

4.本物に触れ“関心の芽”を育てよう

旅の最中は自然・歴史・文化など「本物」に触れる機会がたくさん。経験から学び、五感が刺激されて、想像力や感受性なども養われます。子どもが疑問を口にすることも多いはず。即答するのではなく、子ども自身が答えに辿り着けるようサポートしましょう。

わが家の赤ちゃんはまだハイハイもできませんが、公園の地面に座らせてみると、初めて落ち葉の匂いを嗅ぎ、土の感触に驚き、眩しい太陽に目を細め…楽しそう! 外の世界に触れると、赤ちゃんでも脳をフル回転させている様子。早く「これなあに?」とおしゃべりできる日が待ち遠しいこの頃です。

 

5.思い出を“カタチ”にして記憶に残そう

脳は必要ないと判断したものは3日間で80%を忘れてしまうというデータがあります。せっかくの旅ですから、長く記憶に残したいもの。写真や資料を整理したり、作文や絵日記を書いたり、旅先からハガキを出したりするなどの一工夫で長く記憶に留めて旅育効果をあげることはできます。

「家族旅行はどこへ行くかより、何をするか」と村田さん。また、親が働きかけるという特性上、このメソッドにはゴールデンエイジがあるのだとか。「言葉を理解する3歳頃から、基礎的な脳ができあがる9歳頃までをゴールデンエイジとしています」。

 

働くママにとって貴重な自由時間で旅を計画するなら、なんとなく行く旅は卒業し、子どもたちの心と脳を育む「旅育」に出かけましょう!

 

\もっと旅育メソッドを知りたい方は!/

今回ご紹介したの5つの旅育メソッドを実践するための、”25のヒント”が紹介された1冊。旅行の準備段階から子どもの脳を育てる工夫や、学校の勉強につながる具体的な学ばせ方がわかります。また、北海道から沖縄まで、各地方別の旅育スポットやモデルルート情報も満載。親子で47都道府県を旅した著者が厳選したおすすめスポットが網羅された旅の必需品! http://www.travel-k.com/book

「家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ旅育BOOK」

旅育BOOK表紙

 

これからの季節にオススメの旅育プラン


最後に、著書で紹介された厳選スポットとは別に、この秋・冬シーズンで村田さんが一押しの旅育プランを伺いました。

 

<秋の都内近郊のおすすめスポット>

◆ズーラシア

気候が良い秋は、動物園や公園などの屋外を楽しむのにもいい季節。ズーラシアは動物の種類が多く、園内も広く快適です。

ズーラシア園内

▲ゾーンごとにその土地をイメージした雰囲気があるので、お散歩気分で一日楽しめます。

 

◆昭和記念公園

未就学のお子さんから楽しめる施設が多く、様々なファミリー向けのイベントも。園内には「パークトレイン」が走り、楽しく移動できます。紅葉の中、手ぶらで楽しめるバーベキューも人気です。

 

 

<冬のオススメリゾートエリアは北海道>

震災の「ふっこう割※」が適用され、大幅に値引きされたツアーが発売されました。この冬の北海道は、例年に比べて断然お得! 冬の北海道はスキーだけではなく雪景色や、雪と触れ合うプログラムも豊富。さらに、おいしい冬の味覚も満喫できます。東京からも飛行機で1時間ちょっと。意外と近いので、お子さんの飛行機デビューにも最適な距離です。

※ 宿泊が半額相当になっています


◆星野リゾート トマム

12月中旬に「アイスヴィレッジ」ができ、氷の世界を楽しめます。12月は牧場をテーマにした「ファームクリスマス」も実施されます。年齢に応じた子どもと一緒に快適に過ごせる客室が好評です。

 

ツリーイングで遊ぶ子ども

▲3歳から参加できるスキー教室や、親子で参加可能なスノープログラムなど豊富なアクティビティも魅力的(写真はツリーイング)。

<冬でもあたたかく過ごしたいなら…>

「スパリゾートハワイアンズ」

館内は28度と一年中快適な常夏空間。ベビー・キッズなど年齢に応じて楽しめるプールがあり、併設ホテルにはベビー専用の客室も。11月からは「絆リゾート」として、様々な絆を深めるイベントを実施しています。(宿泊者専用のバスが首都圏から運行:無料)

 

ハワイアンズの記念写真

▲子ども向けのアロハやムームーもあり、記念撮影にもぴったり。11月からは夫婦の愛を再び誓う「バウリニューアル」を実施。お子様と一緒に参加すれば素敵な思い出になること間違いなし!

 

 

 

ープロフィールー 

村田和子

村田和子(むらた かずこ)


旅行ジャーナリストであり、1児の母。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。旅行を通じて子どもの心や脳を育てる「旅育」のメソッドを通して、生活や人生が豊かになるように日々活動中。『週刊文春』『日経 DUAL』『プレジデントファミリー』『AERA with Kids』など、雑誌やテレビで活躍。各種講演、旅行サイトや旅館・ホテルなどのコンサルティングも行なっている。旅育のポータルサイト「家族deたびいく http://tabi-iku.jp/」を運営。

文/さくまえり

さくまえり

フリーランス。
主に料理や掃除、家計管理の取材、原稿執筆を行う。
2018年に第一子を出産し、子育て奮闘中。