2019.05.19

出産後の生理がこない・不順…いつから再開するもの?

産後の生理不順に悩む女性のイメージ

妊娠・出産でしばらく毎月の生理は止まりますが、産後は早めに次の妊娠を考えている人もそうでない人も、いつ生理が再開するのかは気になりますね。

今回は、産後すぐに生理がこない理由や再開の時期、母乳育児との関係、授乳中に生理が再開することはあるのか、生理再開前の妊娠の可能性などについて解説します。

 

出産後、生理が再開するしくみは


生理(月経)が毎月起こるのは、その約14日前に「排卵」があるからですね。

妊娠中は、胎盤から大量に分泌されるホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」によって排卵と月経が起こらないよう抑制されています。

出産後に胎盤が失われると、こんどは「プロラクチン」というホルモンが分泌されはじめ、この作用で卵巣の働きが抑制されます。プロラクチンは授乳で赤ちゃんが乳頭を刺激すると分泌されるようになっています。

この状態を「授乳性無月経」と呼び、赤ちゃんに授乳が必要なうちは次の子を妊娠しないための人体の仕組みだともいわれています。

 

出産後の生理、いつごろ再開する人が多い?


出産後、子宮がダメージを修復し元の大きさに戻るのには6~8週間かかり、この間は、授乳の有無にかかわらずほとんどの女性で排卵や月経は起こらないといわれます。

その後の生理再開については、母乳育児をしているかどうかによって時期が違ってくることが多く、個人差もかなりあります。

 

母乳育児の場合

排卵をストップさせるホルモン「プロラクチン」は授乳によって分泌されるので、新生児から生後6ヶ月頃までの赤ちゃんに毎日授乳を続けているうちは生理がこない人が大多数。

そして授乳を止めてから3ヶ月前後で生理が再開する人が多いようです。

母乳とミルク混合の人も、1日に何度か授乳の機会があればホルモンは分泌されるため、このパターンに含まれます。

授乳中でも生理が再開することはある

ただ、早い人だと出産後2~4か月頃には、授乳していてもプロラクチンの分泌が減少し始めます。

また、ホルモン分泌はストレスや疲労などの影響も受けるため、授乳を続けていても産後半年くらいには生理再開する人が50%ほどいて、長くても1年くらいでほとんどの人が生理再開にいたるといわれています。

母乳外来の助産師さんによると、生理中は母乳の量が減ったり、味・色・濃さが微妙に変わったりするママが多いとのこと。

母乳の出が良くないからといって急にたくさん食べたりすると乳腺炎を起こしやすくなるので、鉄分やたんぱく質不足にならないよう気をつけながらいつもどおりのバランスのいい食事をとるのが良いそうです。

 

ミルク育児の場合

ミルク育児の場合、早い人では45日ほどで排卵が起こり、産後2~3か月で生理が再開する人も多いそう。

排卵が起こっていなくても生理が来ることは珍しなく、初回の月経では約70%が無排卵というデータもあります。その後、2回目では約20%、3回目で5%と排卵が起こる率は急激に上がり、通常のサイクルに戻っていくといわれています。

 

出産後の生理がこない時の受診先と治療方法は?


次の妊娠を早めに望んでいる人はもちろん、そうでない人も、授乳していない状態が3か月以上続いても生理が再開しなければ、婦人科や乳腺外科の医師に相談することがすすめられています。

 

治療法は症状により変わりますが、次のような内容が一般的です。

 

  • 血液検査でホルモン異常の有無を調べる
  • 基礎体温をつけ、卵巣の活動リズムを確認
  • 注射などで生理をうながし、次回の生理や排卵を誘発

生理再開前の妊娠について話す夫婦のイメージ

 

出産後の生理再開前は、思わぬ妊娠にも注意


あるアンケートでは、産後8週目あたりから性交再開する夫婦が最も多いそうです。

しかし、産後8週目頃にはすでに生理が再開する人も少なくないうえ、産後1回目の生理が来る前に30%の女性には排卵が起こっているというデータから考えると、「生理が来ていないから避妊しなくても妊娠しない」というのは間違い。

 

また、「授乳中は妊娠しない」というのも、100%確実ではありません。

母乳育児支援専門家向けのサイトでは、授乳期に排卵がないことを根拠にした避妊法の1つとして「LAM(Lactation Amenorrhea Method)」を紹介していますが、以下のような条件が揃った上で有効とあります。

 

 

  1. 出産後6ヵ月以内であること
  2. 赤ちゃんは母乳だけを飲んでおり,他のもの(人工乳,果汁,おしゃぶりなど) を与えられていないこと。

 昼間は4時間,夜間は6時間以上空けないで,赤ちゃんの欲しがるときに欲しがるだけ授乳していること。一日最低6回以上は授乳していること。

  1. 無月経であること(出産後56日以降,性器出血がまったくない)

 30ヵ国以上の実施報告で避妊効果は98.8~100%と言われています。

 

 

この条件に当てはまっていても、個人差やホルモンバランスの乱れなどで排卵が起こることはありますので、妊娠の可能性は考えておきましょう。

 

まとめ


産後の生理再開時期は、ママ同士で話題に上ったときも人によってバラバラなことが多いもの。

また、しばらくは月経周期が不順だったり、量も妊娠前より増えた人・減った人と個人差があります。

ストレスや疲労でホルモンバランスは崩れやすいので、忙しい毎日ではありますが、できるだけ体をいたわりながら過ごせるといいですね。

 

文/高谷みえこ

参考:公益社団法人 日本産婦人科医会「産後の避妊法」http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H13/010813.htm

非営利活動法人日本ラクテーション・コンサルタント協会「母乳育児Q&A」http://www.jalc-net.jp/FAQ/ans6.html

高谷 みえこ

ライター歴15年。大手企業サイトなどで執筆を行う。得意分野は女性・主婦向けの記事。育児ポータルサイトでは新米ママのお悩み相談コーナーで回答者を務めた実績を持つ。