2019.04.10

想像妊娠はドラマだけじゃない?症状や検査薬の結果はどうなる

education201904

実際には妊娠していないのに、月経が止まり、つわりのような症状が出たり、中にはおなかが大きくなってくるなど、妊娠と間違えてしまうような状態になる「想像妊娠」。

ドラマなどで見かけることはありますが、自分には関係ない…と思っていたら、実は意外と誰にでも起こりうるのだとか!?

今回は、想像妊娠が起こる原因や仕組み・現れる症状や、妊娠検査薬の結果はどうなるのかなどについて調べてみました。

 

想像妊娠とは?なぜ起きる?


冒頭でも書いたように、「想像妊娠」という呼び名はドラマや小説の中だけで使われるようなイメージですが、昭和初期、婦人科医師の論文の中で「妊娠の症状を呈する患者がいつまでも出産の気配がなく、不思議に思った産婆に伴われて受診。想像妊娠という診断を下した」と報告されており、医療機関でも長年使用されてきたとのことです。

 

もっとも、現在では「偽妊娠(ぎにんしん)」、英語では「Pseudocyesis」という呼称があり、産婦人科の病気というよりも精神的な症状の一つと捉えられています。

特に、妊娠を強く望んでいる人・反対に妊娠したらどうしようと不安に思っている人に起こりやすいといわれています。

 

妊娠していないのに月経停止やつわりなどの症状が現れる理由は、妊娠を強く意識することでホルモンバランスが影響を受け、実際に妊娠したときに多く分泌されるホルモンの「エストロゲン」が増えるためだそうです。

 

つわり、吐き気…想像妊娠で現れる症状は


では、実際に想像妊娠が起こると、どのような症状が現れるのでしょうか?

これまでに報告がある想像妊娠の症状については、次のようなものがあります。

 

  • 月経が止まる、わずかな量で終わる
  • おりものの増加
  • 吐き気
  • めまい
  • 微熱(高温期の継続感)
  • 胸やおなかの張り
  • 腰痛・背中の痛み
  • おなかが大きくなる
  • 胎動を感じる
  • 初乳の分泌
  • 陣痛

 

上記には個人差がありますが、要するに、妊娠中とほぼ同じ症状が出るということです。過去には陣痛まで感じる人がいたというから驚きですね。

 

想像妊娠の場合、検査薬ではどんな結果が出る?


過去、妊娠検査薬はもちろん超音波検査などもできなかった時代は、医師や助産師さんでも想像妊娠と本当の妊娠の区別がつきにくい時代があったそうです。

しかし、想像妊娠が継続している時に、超音波などで検査の結果「妊娠していません」とはっきり告げられると、ほとんどの人でつわりなどの症状が消えて月経が再開するようになったとのこと。

さらに、現在では市販の妊娠検査薬が流通し、かなりの高確率で妊娠の有無が分かるようになりました。

 

妊娠すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌が始まります。hCGは血液や尿の中にも出てきますので、市販の妊娠検査薬はすべて尿と試薬を反応させて濃度を判定し、妊娠の有無を見分ける仕組みになっています。

妊娠中に多く分泌される「エストロゲン」は、精神的な要因で増減するのに対し、hCGは妊娠していなければ増えることはありません。

つまり、想像妊娠の状態で妊娠検査薬を使っても、結果が陽性と出ることはないのですね。

 

ただし、例外として以下のような場合は、結果が陰性でも妊娠の可能性がありますので、その後も妊娠にともなう症状が続く場合は再検査や受診が必要です。

 

  • 月経開始予定日から1週間経過する前に検査した
  • 検査のやり方を誤った(水平な場所に置かなかった、尿の量が多すぎた・少なすぎた など)
  • 検査前に水分を多くとりすぎた など

 

想像妊娠中、基礎体温はどうなっている?


妊娠の可能性や有無の目安となる「基礎体温」。

通常、月経開始から排卵までは「低体温期」、排卵と同時期に分泌される黄体ホルモンの影響で「高体温期」へと移行し、その間に妊娠しなければ、月経とともに再び低体温期に入ります。

妊娠が成立するとそのまま高体温期が継続するため、基礎体温を正しく測っている場合はそれによって推定できます。

 

しかし、黄体ホルモンの寿命は、ホルモン異常などの病気がない限り誰でも12~16日と決まっていますので、その期間を過ぎれば、たとえ想像妊娠で月経が止まっていても体温は下がることになります。

 

想像妊娠は男性にも起こる?!


ところで、世界では男性が想像妊娠したというニュースも過去にいくつかあるそうです。

こちらは「クーヴァード症候群」と呼ばれ、おもに妻の妊娠中に、夫にもつわり様の症状が現れたり、頭痛、不眠、体重が増加するなどの症状がみられるそう。

父親になることへのプレッシャーや、妊娠で体調が悪い妻への心配など、共感力が高く細やかな性格の男性がなりやすいとも言われています。

 

ただ、そこまではっきりとした症状でなくとも、妻の妊娠中になんとなく食欲が落ちる(または増加する)、フラフラした感じがする…といった男性は意外と多いのではないでしょうか。

 

男性は薬を飲んでも胎児には影響しないため、対症療法として頭痛薬や胃腸薬を服用することで症状が軽くなることもありますが、ほとんどは妻が安定期に入って体調が良くなったり、出産が終われば症状が消えるといわれています。

 

まとめ


市販の妊娠検査薬が出回るようになり、妊娠の可能性がかなりの確率で科学的に分かるようになった今、「想像妊娠」はもはや死語になりつつあるという医師もいます。

しかし、若いママやパパの中には「想像妊娠という存在も知らなかった」という人も意外と多く、当事者になったとき、情報がないばかりに不安な思いをすることがあるかもしれません。

想像妊娠は状況によっては誰にでも起こりうる症状。今回の記事が参考になれば幸いです。

 

なお、今回の記事は、書籍や医療機関の情報に基づいてまとめたものですが、産婦人科医師などの専門家監修によるものではありません。妊娠の有無については自己判断せず、医療機関を受診するようにして下さい。

 

文/高谷みえこ

参考:東京女子医科大学学術リポジトリ「想像妊娠の一例」 https://ci.nii.ac.jp/naid/120002365494

公益社団法人 東京都薬剤師会「妊娠検査薬による自己検査」 http://www.toyaku.or.jp/center04/ninshin/index.html

株式会社アラクス「妊娠検査薬チェックワン」HP http://www.arax.co.jp/checkone/index.html

 

高谷 みえこ

ライター歴15年。大手企業サイトなどで執筆を行う。得意分野は女性・主婦向けの記事。育児ポータルサイトでは新米ママのお悩み相談コーナーで回答者を務めた実績を持つ。